オーディオインターフェースとは|何ができる?役割と仕組みをわかりやすく

オーディオインターフェースとは、簡単にいうとマイクや楽器の音をパソコンに入れ、パソコンの音を外へ出すための「音の出入り口」です。英語の audio interface をそのままカタカナにした言葉で、interface には「2つのものをつなぐ境目」という意味があります。つまり「音(オーディオ)の世界とパソコンの世界をつなぐ機械」というのが名前の意味です。略し方は「オーディオIF」「IF」が一般的で、会話では略して「インターフェース」とだけ呼ぶこともあります。メーカーによっては「オーディオインタフェース」「オーディオインターフェイス」と表記され、検索では「オーディオいんたーフェースとは」のように入力されることもありますが、別名ではなく指しているものは同じです。

オーディオインターフェースで何ができる?4つの役割

オーディオインターフェースの機能は、大きく次の4つに分けられます。どの製品もこの4つを1台にまとめたもので、違いは「いくつ同時にできるか」「どれだけきれいにできるか」にあります。

  1. マイクの声を大きくする(マイクプリアンプ):マイクから出る電気信号はとても小さいため、録音できる大きさまで増幅します。コンデンサーマイクに必要な 48V のファンタム電源もここから送ります。
  2. ギターやベースを直接つなぐ(Hi-Z 入力):エレキギターやベースの信号はそのままではマイク端子に合わないため、専用の入力で受け止めます。
  3. アナログとデジタルを変換する(AD/DA 変換):空気の振動から生まれたアナログの音をパソコンが扱える数字(デジタル)に変え、逆にパソコンの音をスピーカーを鳴らせる電気信号に戻します。
  4. ヘッドホンやスピーカーで聞く(モニター出力):録音中の自分の声や、パソコンで再生した伴奏を遅れなく聞けるようにします。

できることを使い道に置き換えると、歌ってみたやナレーションの録音、YouTube やゲームの配信、オンライン会議の通話音質の改善、ギターやキーボードの録音、DTM での作曲やミックスといった用途になります。「何に使うのか」「なんのために買うのか」がはっきりしていれば、必要な入力の数や機能が自然に決まります。

音が流れる仕組み|マイクからパソコン、ヘッドホンまで

仕組みを順番に追うと、マイクで拾った声はケーブルでオーディオインターフェースに入り、プリアンプで持ち上げられたあと AD 変換でデジタルになり、USB ケーブルでパソコンへ送られます。パソコンでは DAW(録音ソフト)や配信ソフトが音を受け取り、再生した音はまたオーディオインターフェースへ戻って DA 変換され、ヘッドホンやスピーカーから聞こえます。1台の中で「入り」と「出」の両方を受け持っているのがポイントです。

音はオーディオインターフェースを通って行き来する マイク ギター オーディオIF ①プリアンプで増幅 ②AD変換(入り) ③DA変換(出) パソコン DAW・配信 ヘッドホン・スピーカー
マイクやギターの音はプリアンプとAD変換を経てパソコンへ入り、パソコンの音はDA変換されてヘッドホンやスピーカーへ出る

USBオーディオインターフェースとは|サウンドカードやパソコン内蔵との関係

現在売られている製品の多くは、USB ケーブル1本でパソコンとつなぐ USB オーディオインターフェースです。「USB とは何が違うのか」と迷う人がいますが、USB は接続方式の名前で、機能は上で説明した4つと同じです。かつてはパソコンの中に差し込むサウンドカード(PCI カード)が主流でしたが、ノートパソコンやスマホにもつなげる外付けの USB 型に置き換わりました。

パソコン(PC)にも、イヤホン端子やマイク端子を受け持つ音声回路が内蔵されています。ただし内蔵の回路は通話や動画を聞く程度を想定したもので、XLR 端子のマイクやギターを直接つなぐ入力はなく、パソコン内部の電気ノイズも拾いやすいつくりです。DTM(パソコンでの音楽制作)やギターの録音でオーディオインターフェースが基本の機材とされるのは、この内蔵回路では足りない部分を外付けで補うためです。必要かどうかの判断は次の章で詳しく扱います。

オーディオインターフェースは必要?いらない場合となぜ必要かの判断

オーディオインターフェースの必要性は、「何をつなぎたいか」でほぼ決まります。XLR 端子のマイク(ボーカルマイクやコンデンサーマイク)やエレキギターをパソコンにつなぎたいなら必要で、声を手軽に録るだけなら USB マイクで足りる場合もあります。「いる」「いらない」で迷ったら、次の3つの問いを上から順に確かめてください。

つなぎたい機材でオーディオIFが必要かが決まる XLRマイク・ギターを パソコンにつなぐ? はい → 必要 スマホ配信で伴奏と 声をまとめて送る? はい → 必要 (ループバック付) 声だけを手軽に 録る・話す? USBマイクで 足りることも
XLRマイクやギターをつなぐなら必要、スマホ配信で伴奏と声を混ぜるならループバック付きが必要、声だけならUSBマイクでも足りる

オーディオインターフェースがいらない場合|USBマイクで足りるケース

USB マイクは、マイクの中にプリアンプと AD 変換を組み込み、オーディオインターフェースの入力部分を1本にまとめた製品です。パソコンに直接挿せばすぐ使えるので、次のような使い方ならオーディオインターフェースはいらないことが多いです。

  • Discord やオンライン会議で話す、ゲーム実況で声を乗せるだけ
  • ナレーションや声だけの歌を、1人・1本のマイクで録る
  • まずは安く始めて、録音や配信を続けるか様子を見たい

一方で USB マイクは「そのマイクしか使えない」のが欠点です。ギターと歌を同時に録る、あとでマイクだけ買い替える、ライブ用のダイナミックマイクを家でも使う、といった広げ方ができません。また、音楽を聞くだけの「聴き専」の人がリスニング用に買う機材でもありません。ピュアオーディオやハイレゾ音源を高音質で楽しみたいだけなら、入力を持たない USB DAC やヘッドホンアンプのほうが目的に合います(違いは次の章で説明します)。パソコンなしで録音したい場合は、単体で録れるハンディレコーダーという選択肢もあります。

オーディオインターフェースを使うメリット|音質で何が変わるか

オーディオインターフェースを入れて変わるのは、主に次の4点です。「音質が良くなる」と一言でいわれますが、効果の中身を知っておくと、機種の良し悪しも判断しやすくなります。

ノイズが減る
パソコン内蔵のマイク端子は、内部の電気ノイズを「サー」という音として拾いがちです。外付けにすると回路がパソコンから離れるため、声の後ろのノイズがはっきり減ります。
マイクを選べる
XLR 端子のマイクがつながるので、声質や用途に合ったボーカルマイクを選べます。音質の差はオーディオインターフェースよりマイクのほうが大きく出るため、ここが最大の利点です。
自分の声を遅れなく聞ける
ダイレクトモニター機能で、録音中の自分の声をパソコンを経由せずにヘッドホンで聞けます。遅れた声を聞きながら歌うと音程とリズムが崩れるので、歌う人には特に大事な機能です。
入力を増やせる
マイクとギター、2本のマイクなど、複数の音を別々のトラックで同時に録れます。

デメリットは、機材が1つ増えて置き場所とケーブルが必要になることと、ドライバーや設定の手間がかかることです。音質を左右するマイク選びはボーカルマイクの選び方で、歌の録音や配信に必要なもの全体は歌う人のための機材の選び方で解説しています。

ミキサー・DAC・アンプ・キャプチャーボードとの違い

オーディオインターフェースと混同されやすい機材に、ミキサー、USB DAC、ヘッドホンアンプ、マイクプリアンプ、キャプチャーボードがあります。どれも「音の通り道」に置く箱ですが、受け持つ仕事が違います。「パソコンに音を入れられるか」「複数の音を混ぜられるか」「パソコンの音を出せるか」の3点で比べると違いがはっきりします。

機材ごとに受け持つ仕事の違い PCに入れる 混ぜる PCから出す オーディオIF ◯ △ ◯ アナログミキサー × ◯ × USBミキサー ◯ ◯ ◯ USB DAC × × ◯ △はループバックや内部ミキサーで対応
オーディオIFは入力と出力、アナログミキサーは混ぜること、USB DACは出力だけを受け持ち、USBミキサーは3つを兼ねる

オーディオインターフェースとミキサーの違い

ミキサーは、複数のマイクや楽器の音量・音質を調整して1つ(ステレオ2ch)にまとめる機材です。昔ながらのアナログミキサーにはパソコンとつなぐ USB 端子がなく、単体ではパソコンに録音できません。反対にオーディオインターフェースは、音をパソコンとやり取りすることが本業で、本体のつまみで混ぜる機能は最小限です(パソコンの中のソフトウェアミキサーで補います)。

両者の中間にあるのが、ミキサーに USB オーディオインターフェースを内蔵した「USB ミキサー」「ミキサー付きオーディオインターフェース」です。ヤマハの AG シリーズが代表例で、つまみを回して声と BGM のバランスを手元で調整でき、そのまま配信に送れます。違いを一言でまとめると、パソコンで録るならオーディオインターフェース、手元で混ぜて流すならミキサー、両方をしたいなら USB ミキサーです。すでにアナログミキサーを持っているなら、ミキサーの出力をオーディオインターフェースのライン入力に接続して(つなぎ方は後の章で説明します)、2台を併用する方法もあります。

DAC・ヘッドホンアンプとの違いと併用

DAC(ディーエーシー)はデジタルをアナログに戻す DA 変換だけを受け持つ機材で、音楽を聞くためのリスニング機器です。オーディオインターフェースは DAC の機能を含んでいるので、録音や配信をするならオーディオインターフェース1台で聞くことも兼ねられます。逆に USB DAC にはマイクをつなぐ入力がないため、DAC だけで録音はできません。

「DAC と併用すると音質が上がるか」という疑問もよく見かけます。オーディオインターフェースの出力を別の DAC に通すことはできず、併用するならパソコンで出力先を切り替えて使い分ける形になります。TOPPING などの据え置き DAC やヘッドホンアンプは、インピーダンスの高いヘッドホンを大きな音量で鳴らす力に余裕がある機種が多く、ヘッドホンの音が小さいと感じる場合に、オーディオインターフェースのライン出力からヘッドホンアンプへ接続して併用する方法が有効です。

アンプ・プリアンプ・DI・キャプチャーボードとの違い

アンプ(パワーアンプ・ギターアンプ)
音を大きくしてスピーカーを鳴らす機材です。パワーアンプは PA(ライブの音響)やパッシブスピーカーを鳴らすため、ギターアンプはギターの音作りと鳴らすための機材で、パソコンに音を入れる機能はありません。アンプとの違いは「スピーカーを鳴らすか、パソコンとやり取りするか」です。
マイクプリアンプ(マイクプリ)
マイクの小さな信号を増幅する機材です。オーディオインターフェースにも入っていますが、単体のプリアンプは音の色づけや余裕のある増幅にこだわった上位機材で、オーディオインターフェースのライン入力の前につないで使います。
DI(ダイレクトボックス)
ギターやベースの信号をミキサーが受けやすい形に変える箱です。オーディオインターフェースの Hi-Z 入力は DI の役割を内蔵したもので、宅録なら DI は基本的にいりません。
キャプチャーボード
ゲーム機の映像と音をパソコンに取り込む機材です。ゲーム音は取り込めますが、マイク入力はない(あっても簡易的な)ものがほとんどです。ゲーム配信ではキャプチャーボードでゲーム画面を、オーディオインターフェースで声を入れる組み合わせが基本で、1体型の製品もあります(配信の章で詳しく説明します)。

オーディオインターフェースの選び方|初心者が確認する6つのポイント

オーディオインターフェースの選び方は、スペック表の数字を全部比べるより、「使い方に対して入力と出力が足りるか」を最初に決めるのが近道です。初心者や入門用の1台なら、次の6つを順に確認すれば大きく外すことはありません。

①入出力数とチャンネル数|2in2out などの表記の読み方

製品名や仕様にある「2in2out」は、入力が2つ・出力が2つという意味です。入力数は同時に別々のトラックとして録れる音の数、出力数はスピーカーやヘッドホンへ送れる音の数を表します。「2ch」「4ch」「8ch」「16ch」とチャンネル数で表す場合もあり、4in4out、8in8out、2in4out(入力2・出力4)のように入力と出力の数が違う機種もあります。

  • 1人で歌う・話す:マイク入力が1つあれば足ります。1in2out・2in2out の小型機が中心です。
  • 弾き語り・2人の配信:マイクとギター、マイク2本を同時に録るなら入力2つ(2in)。3入力・3チャンネル(3ch・3in)以上なら鍵盤や BGM 用のステレオ入力も同時につなげます。
  • バンドやドラムの録音:ドラムだけで複数のマイクを使うため、4in・6in(6チャンネル)では足りず、8入力・8チャンネル(8in)以上の多チャンネル機が必要です。5ch や 6ch の中間の構成の機種もあります。
  • 出力を増やしたい場合:モニタースピーカーを2組切り替える、演奏者ごとに別のヘッドホンミックスを送る、ライブで同期音源を流すといった用途では、4出力(4out)、6アウト(6in6out)、8アウト(8out)のように出力の多い機種を選びます。

あとから入力を増やすには、光デジタル入力(ADAT)を持つ機種なら外部のマイクプリアンプをつないで増設できます。最初から多チャンネル機を買うより、今の使い方に合う数を選ぶほうが安く、机の上も広く使えます。

使い方で必要な入力の数が決まる 1人で歌う 1〜2in 弾き語り 2in 2人の配信 2〜4in バンド・ドラム 8in〜
1人で歌うなら入力1〜2、弾き語りなら2、2人の配信なら2〜4、バンドやドラムの録音には8以上の入力が目安

②端子の種類|XLR・Hi-Z・ライン入力と48Vファンタム電源

入力の数と同じくらい大事なのが端子の種類です。多くの機種は、XLR(キャノン)とフォーン(標準プラグ)のどちらも挿せる「コンボジャック」を備えています。

XLR 入力(マイク入力)
ボーカルマイクをつなぐ3ピンの端子です。XLR 入力がない機種ではマイクを使えないので、歌う人は必ず確認します。
Hi-Z 入力(INST)
エレキギターやベースを直接つなぐための入力です。「INST/LINE」の切り替えスイッチがある機種では、ギターのときは INST 側にします。
ライン入力(LINE 入力)
キーボードやミキサー、スマホなど、すでに十分な大きさの信号を受ける入力です。左右2つで受ける「ステレオ入力」を持つ機種は、ステレオのキーボードや BGM 用の機器をつなぐのに便利です。マイクは1本ならモノラル(1ch)で録るのが基本です。
48V ファンタム電源
48V とは、コンデンサーマイクを動かすためにケーブル経由で送る電源のことです。「+48V」「PHANTOM」と書かれたスイッチで入れます。ダイナミックマイクには不要ですが、コンデンサーマイクを使う予定があるならファンタム電源付きの機種を選びます。

③接続方式と電源|USB-C・Thunderbolt・バスパワー

パソコンとの接続は、現在は USB Type-C(タイプC)端子の USB 接続が主流です。USB 2.0 でも2〜8ch 程度の録音には十分な速さがあり、規格の新しさが音質を決めるわけではありません。サンダーボルト(Thunderbolt)接続は Mac を中心としたプロ向け機種に多く、多チャンネルを低い遅延で扱えるのが利点です。

電源は、USB ケーブルからパソコンの電気をもらって動く「バスパワー」と、AC アダプターなど外部電源から電気をもらう「セルフパワー」の2通りがあります。バスパワーとは、電源コンセントが不要でケーブル1本で済む方式で、小型機のほとんどがこれです。ただし iPhone やタブレット、USB ハブにつなぐと電力不足で動かないことがあり、その場合は「5V DC」などと書かれた給電用端子から電源供給できる機種が安心です。

④対応OSとドライバー|Windows・Mac・クラスコンプライアント

Windows では、低い遅延で録音するために ASIO(アジオ)という方式のドライバーを使います。メーカーのサイトから専用ドライバーをインストールする機種が多く、Mac は OS 標準の Core Audio でそのまま動くのが一般的です。「クラスコンプライアント」と書かれた機種は、USB の標準規格に沿っていて専用ドライバー不要で認識されるため、iPhone や iPad、Android でも使える可能性が高くなります。自分のパソコンの OS が対応表に入っているかは、購入前に必ずメーカーのサイトで確認してください。

⑤付属ソフトと機能|DAW付き・DSP・ループバック

多くの機種には DAW(録音・作曲ソフト)の簡易版が付属します。ヤマハの機種には Cubase AI が付属するなど、DAW 付き・ソフト付きの機種を選べば、買ったその日から録音を始められます。DSP とは、本体に内蔵した音声処理用のチップのことで、パソコンに負担をかけずにリバーブやコンプレッサーを「かけ録り」できます。配信をするなら、パソコンやスマホの音と声をまとめて送る「ループバック」機能の有無も確認します(配信の章で詳しく説明します)。

⑥サイズと予算|小型・持ち運びと初心者の注意点

机が狭い、外で録りたいという場合は、手のひらに乗る小型・コンパクトな機種が向いています。最小クラスの機種は軽量でバスパワー駆動なので、ノートパソコンと一緒に持ち運びしやすいのが利点です。ポータブルなハンディレコーダーの中にも、パソコンにつなぐとオーディオインターフェースとして使える機種があります。

初心者が失敗しやすい注意点は、「高い機種ほど音が良い」と考えて使わない入力の多い機種を買うことと、マイクやヘッドホンの予算がなくなることです。最初の1台は入力2つ前後の小さい機種にして、差額をマイクに回すほうが、録った声の満足度は高くなります。中級者になって入力や音質に物足りなさを感じてから、上位機種に買い替えても遅くありません。

音質を左右するスペックの読み方|サンプリングレート・ビット数・32bit float

オーディオインターフェースの仕様表には「24bit/192kHz」「32bit float」「S/N比」といった数字が並びます。数字が大きいほど高音質に見えますが、歌の録音や配信で音質の差を大きく左右するのは、数字よりマイクと録る部屋、そしてゲインの合わせ方です。数字の意味を知って、必要以上のスペックにお金を払わないようにしましょう。

サンプリングレート(サンプルレート)とは|44.1kHz・48kHz・96kHz・192kHz

サンプリングレートとは、アナログの音を1秒間に何回測ってデジタルにするかを表す数字で、サンプルレートとも呼ばれます。CD は 44.1kHz(1秒に4万4100回)、動画や配信は 48kHz が標準です。現在の機種の多くは 96kHz や 192kHz にも対応していますが、人の耳に聞こえる高さの上限はおよそ20kHz前後で、44.1kHz や 48kHz でも理論上その範囲は記録できます。192kHz で録るとファイルが4倍前後に大きくなり、パソコンの負担も増えるので、歌ってみたや配信なら 48kHz で十分です。ハイレゾで作品を配信したいなど、目的がはっきりしている場合に高いレートを選びます。

ビット数(ビット深度)と32bit float(32bitフロート)

ビット数(ビット深度)は、音の大きさを何段階の細かさで記録するかを表します。16bit は CD と同じで約6万5千段階、24bit は約1677万段階です。段階が細かいほど小さな音まで粗くならずに記録でき、録音時の音量に余裕を持たせられるため、録音は 24bit で行うのが一般的です。なお「ビットレート」は圧縮した音声ファイル(MP3 など)の1秒あたりのデータ量を表す別の数字で、オーディオインターフェースの性能とは直接関係しません。

32bit float(32bit フロート)は、とても大きな音から小さな音までを、割れずに記録できる形式です。32bit 対応の機種で 32bit float 録音をすれば、ゲインを上げすぎて音が割れても(クリップしても)後から音量を下げて救えるのが利点です。ハンディレコーダーやフィールドレコーダーで先に広まり、オーディオインターフェースにも対応機種が増えています。ただし、マイクプリアンプの前段で割れた音は救えない機種もあるため、「32bit なら何をしても割れない」とは考えず、ゲインは次の章以降で説明するとおり丁寧に合わせましょう。

サンプリングは横、ビット数は縦の細かさ 縦 横の間隔=サンプリングレート
音の波(藍)を一定の間隔で測った点(橙)がデジタルの音になる。横の測る回数がサンプリングレート、縦の段階の細かさがビット数

S/N比・プリアンプ・インピーダンス|性能差が出るところ

同じ「24bit/192kHz」の機種どうしでも、音に性能差が出るのは次の部分です。

S/N比(ダイナミックレンジ)
必要な音(シグナル)と、機材が出すノイズの比率です。dB(デシベル)で表し、数字が大きいほど「サー」というノイズが小さいことを示します。測定条件がメーカーごとに違うので、細かい数字の差より、100dB を大きく下回る機種を避ける程度の目安にします。
プリアンプの増幅量(ゲイン幅)
マイクの信号をどれだけ大きくできるかで、「最大ゲイン 60dB」のように書かれます。感度の低いダイナミックマイクで小さな声を録る場合は、ゲインを上げきってもまだ小さいことがあるので、余裕のある機種が有利です。プリアンプの音の質感は、上位機種ほど音が太い・自然といった差として現れます。
インピーダンス
入力や出力の「電気の通りにくさ」を表す数値です。ギター用の Hi-Z(ハイインピーダンス)入力は、ギターの信号を弱めずに受けるための入力です。ヘッドホン出力は、インピーダンスの高いスタジオ用ヘッドホンを使うと音量が足りなくなる機種があるため、使うヘッドホンとの相性も確認します。

まとめると、音質で何が変わるかを気にするなら「48kHz/24bit で録れる」「ノイズが少ない」「ゲインに余裕がある」の3点を満たしていれば、入門機でも作品づくりには十分な品質があります。

【用途別】おすすめのオーディオインターフェース|歌ってみた・配信・ギター・DTM

ここからは、用途ごとにおすすめの選び方と代表的な機種を紹介します。どれが「最強」かは使い方で変わるため、人気順のランキングではなく、用途に必要な機能を満たす定番機を比較しています。有名配信者や有名な歌い手と同じ機材を選ぶ人も多いですが、その人の部屋や使い方に合わせた構成であることが多く、同じ音になるとは限りません。価格は変動するので、表の金額は確認日時点の目安として見てください(2026年の新製品や最新の価格は、各メーカーの公式サイトで確認してください)。

用途ごとに必ず確認したい機能 歌ってみた 48V・ダイレクトモニター 配信・歌枠 ループバック ギター・ベース Hi-Z入力・低い遅延 DTM・作曲 MIDI・スピーカー出力
歌ってみたは48Vとダイレクトモニター、配信はループバック、ギターはHi-Z入力、DTMはMIDIとスピーカー出力を必ず確認する

歌ってみた・宅録・ボーカル録音におすすめ

歌ってみたや宅録のボーカル録音で大事なのは、コンデンサーマイク用の 48V ファンタム電源と、自分の声を遅れなく聞けるダイレクトモニター、そしてノイズの少なさです。1人で歌うならマイク入力1つ、弾き語りで歌とギターを同時に録るならマイク入力とギター入力の2つがある機種を選びます。ナレーションやポッドキャストの収録も条件は同じです。

定番は、Focusrite の Scarlett Solo(ソロ)・Scarlett 2i2、Universal Audio の Volt 1、MOTU の M2 などです。Scarlett の第4世代の 2i2 には、声の大きさに合わせてゲインを自動で決める機能(Auto Gain)や、音割れを防ぐ機能(Clip Safe)があり、初めての録音でも失敗しにくいのが特徴です。マイクとセットで買うなら、メーカーが用意しているマイク・ヘッドホン付きのスタジオパック(セット商品)も手軽です。マイク選びはボーカルマイクのおすすめと選び方を参考にしてください。

配信・歌枠・ゲーム実況におすすめ

配信では、パソコンやスマホで流す BGM・カラオケ音源と自分の声を1つにまとめて配信アプリへ送る「ループバック」機能が欠かせません。つまみで音量バランスを直接操作できるミキサー型が使いやすく、ヤマハの AG03MK2・AG06MK2 は配信用の定番です。ゲーム実況やゲーム配信なら、ゲーム音・ボイスチャット・マイクを別々に調整できる Roland の BRIDGE CAST(ブリッジキャスト)のような配信向け機種も候補になります。Focusrite の Vocaster One・Two はポッドキャストや配信向けに作られたシリーズで、Two は2人で話す配信に向いています。

ギター・ベース・DTM・ピアノにおすすめ

ギターやベースを録るなら Hi-Z 入力が必須で、演奏のタイミングがずれないように遅延の小さい(ドライバーの安定した)機種が向いています。ヤマハ(旧 Steinberg)の UR シリーズや MOTU の M シリーズは、DTM でも定番の選択肢です。DTM で作曲をするなら MIDI 端子やモニタースピーカー用の出力があると便利で、電子ピアノやキーボードをステレオで録るならライン入力が2つある機種を選びます。ギター向けの詳しい選び方とつなぎ方は、後の章「ギター・ベースをつなぐ」で解説します。

代表的な機種の比較表

当サイトの機材検索(オーディオインターフェース)に掲載している機種を中心に、特徴と価格の目安を比較します。

メーカー・機種向いている用途主な特徴価格の目安
ヤマハ AG03MK2配信・歌枠ミキサー型。ループバック、48V、USB-C。白と黒16,790円
Focusrite Scarlett Solo(第4世代)1人の歌・宅録マイク1・ギター1。ループバック対応19,800円
Universal Audio Volt 11人の歌・宅録ヴィンテージ風の質感にするモード付き22,000円
ヤマハ(旧 Steinberg)UR22C歌・ギター・DTM入力2、DSP、ループバック、MIDI。2025年10月から URX22C に改称25,800円
Focusrite Scarlett 2i2(第4世代)弾き語り・宅録入力2、Auto Gain・Clip Safe28,600円
Roland BRIDGE CASTゲーム配信ゲーム音とボイスチャットを別々に調整30,978円
MOTU M2歌・ギター・DTM見やすい液晶メーター、ループバック35,970円

価格はいずれも 2026年9月26日に確認した目安です。コスパで選ぶなら、まず必要な入力数と機能(ループバックや Hi-Z)を満たす機種に絞り、その中でいちばん安いものを選ぶのが「コスパ最強」への近道です。予算別の考え方は次の章、上位機種は「プロ用・ハイエンド」の章で解説します。

安いオーディオインターフェースの選び方|1万円以下・格安・中華製の注意点

オーディオインターフェースの値段は、5000円前後の格安機から数十万円のプロ用まで大きな幅があります。価格の相場を知っておくと、「安いやつで大丈夫か」「高いものは何が違うのか」が判断しやすくなります。結論からいうと、1人で歌う・話すなら1万円台までの安い機種でも録音や配信は十分にでき、値段の違いは主に入力の数、プリアンプやドライバーの質、付属の機能に表れます。

オーディオIFの価格帯と中心になる用途 〜1万 1〜3万 3〜5万 5〜10万 10万〜 お試し 定番の 中心 高音質 多機能 多入力 プロ用 単位は円。1人の歌・配信は1〜3万円が中心
1万円以下はお試し、1〜3万円が定番の中心、3〜5万円は高音質・多機能、5〜10万円は入力の多い機種、10万円台からがプロ用の価格帯

価格帯ごとの違い|1万円台・3万円台・5万円台・10万円台

1万円以下(5000円〜の格安・激安機)
Behringer(ベリンガー)の UMC22 や UMC202HD、M-Audio の M-Track Solo などが代表で、とにかく安く始めたい人向けです。マイクをつないで録音や配信はできますが、ゲインを上げたときのノイズや付属ドライバーの安定性では上の価格帯に劣ります。
1万円台〜3万円(定番の中心)
ヤマハの AG03MK2、UR12MK3(旧 IXO12)、Focusrite の Scarlett Solo、Universal Audio の Volt 1 など、入門の定番機が集まる価格帯です。ループバックや 48V など必要な機能がそろい、最初の1台ならここから選べば困りません。
3万円台〜5万円(高音質・多機能)
MOTU の M2・M4、Universal Audio の Volt 176・276 など、音質やメーター・コンプレッサーなどの機能に余裕がある機種です。5万以下で長く使える1台を選ぶならこの価格帯が狙い目です。
5万円台〜10万以下(多入力・上位機)
4入力以上の機種や、DSP を積んだ上位機種が中心です。バンドの録音や、作品として配信する音源づくりに向いています。
10万円台〜(プロ用)
RME や Universal Audio の Apollo など、スタジオでも使われる機種です(次の章で解説します)。

安い機種を選ぶときの注意点|中華製・ノーブランドとの付き合い方

ネット通販では、FIFINE や MAONO など中国メーカーの低価格帯の製品(いわゆる中華製)も人気です。ループバックや 48V を備えた機種もあり、価格の割に機能は充実していますが、次の点を確認してから選ぶと失敗を防げます。

  • Windows 用のドライバー(ASIO)が用意されているか:ないと DAW で遅延が大きくなり、DTM やギター録音には向きません。
  • 日本語のマニュアルとサポート窓口、保証があるか
  • ゲインを上げたときの「サー」というノイズの評判(安い機種ほど差が出やすい部分です)

用途別に見ると、安い機種で困りにくいのは、配信や通話で声を乗せる用途、スマホで歌枠をする用途(IRIAM などの配信アプリを含む)です。反対に、ギターやベースを安い機種で録ると、遅延やノイズで演奏しづらいことがあり、DTM でも同じ理由で1〜3万円台の定番機のほうが結果的に安く済むことが多いです。iPhone やスマホにつなぐ場合は、安い機種ほど電源の不足で動かない例があるため、スマホ対応を明記した機種を選んでください。「高いほど良い」「安いほど悪い」とは限らないので、値段の違いは「何が付いているか」で比べるのがコツです。

プロ用・ハイエンドのオーディオインターフェース|RME・Apollo は何が違う?

レコーディングスタジオやプロの制作現場で使われる高級機は、10万円台から数十万円の価格帯です。入門機との違いは「音がすぐに劇的に良くなる」ことより、長時間・多チャンネルでも止まらない安定性、低い遅延、細かな音の再現性、拡張性にあります。プロ仕様の機材がどんな点で選ばれているかを知っておくと、将来の買い替えの判断にも役立ちます。

RME|ドライバーの安定性と TotalMix FX

ドイツの RME は、ドライバーの安定性と低い遅延に定評があり、プロの現場で長く使われているメーカーです。持ち運べる Babyface Pro FS(ベイビーフェイス)、据え置きの Fireface UCX II などが代表機種で、付属のソフトウェアミキサー TotalMix FX で入出力の振り分け(ルーティング)を自在に組めます。古い機種でもドライバーの更新が続く傾向があり、RME の中古が人気なのもこのためです。同社の ADI-2 シリーズは録音用のオーディオインターフェースではなく、主に音の確認(リスニング)用の高音質なコンバーター・DAC です。

Universal Audio の Apollo(アポロ)|DSP で名機の音を「かけ録り」

アメリカのユニバーサルオーディオ(Universal Audio)の Apollo シリーズは、本体に内蔵した DSP で、ビンテージの名機を再現したプラグイン(UAD プラグイン)を遅延なく動かせるのが特徴です。Unison という仕組みのプリアンプは、ソフト側で選んだ名機のマイクプリの特性に入力の振る舞いを合わせます。歌をコンプレッサーや EQ をかけた状態で録る「かけ録り」ができるため、ボーカル録音の現場で人気があります。代表機の Apollo Twin X は Thunderbolt 接続で、DSP の規模によって DUO・QUAD の2種類があります。

そのほかのハイエンド機とプロ用の設備

ほかにも、Apogee の Duet 3、Antelope Audio の Zen Go、コンソールで知られる SSL や Neve(AMS Neve)のオーディオインターフェース、マイクメーカー Neumann の MT 48、Lynx などの高級機があります。日本製にこだわるなら、ヤマハやローランド、TASCAM など国内メーカーの上位機種が候補です。

スタジオ規模になると、次のような設備も使われます。

ワードクロック
クロックとは、デジタル機器が音を測るタイミングを決める「時計」の信号のことです。複数のデジタル機器をつなぐとき、ワードクロックで時計をそろえないとプツプツというノイズが出ることがあります。1台で使う宅録ではほぼ気にしなくて大丈夫です。
ラックマウント(1U)
業務用の機材棚(ラック)にねじ留めする形の機種で、高さの単位を U で表します。1U は薄型の1段分です。多チャンネル機に多い形です。
内蔵型(PCI カード・5インチベイ)
かつてはパソコンの中にカードを差し、5インチベイ(光学ドライブ用の前面スペース)に入出力パネルを付ける内蔵型も使われていましたが、現在は USB や Thunderbolt の外付け型が主流です。

高級機を買う前に、マイク、部屋の響き、モニター環境を先に整えるほうが音の変化は大きいことが多いです。プロ用の機材は、入門機では「入力が足りない」「遅延が気になる」「音の細部が聞き取れない」とはっきりした不満が出てから検討しても遅くありません。

オーディオインターフェースのメーカー別の特徴と代表機種

オーディオインターフェースのメーカーは数多くありますが、ブランドごとに得意な用途がはっきりしています。メーカーを比較するときは、音の違いより「配信が得意」「DTM で定番」「ギター向け」「とにかく安い」といった性格の違いで選ぶとわかりやすくなります。ここではメーカーの特徴と代表機種を一覧にまとめます(型番は執筆時点のもので、改称や生産終了があるため購入前に公式サイトで確認してください)。

国内メーカー|ヤマハ(スタインバーグ)・ローランド・TASCAM・ZOOM

メーカー特徴代表機種
ヤマハ(YAMAHA)配信用ミキサー型の定番。DTM 向けの UR シリーズも展開AG03MK2、AG06MK2、URX22C、UR22MK3、UR12MK3
ローランド(Roland)・BOSSゲーム配信向け、スマホ向けミキサー、ギター用機材に強いBRIDGE CAST、GO:MIXER PRO-X、Rubix22、Rubix24
TASCAM(タスカム)録音機材の老舗。手ごろな価格の US シリーズとレコーダーUS-1x2HR、US-2x2HR
ZOOM(ズーム)レコーダーやミキサーがオーディオインターフェースを兼ねる機種が多いAMS-22、AMS-24、R8、L-8、H6essential

ヤマハは「YAMAHA」の表記で検索されることも多く、変換の途中の「やまは」「山は」といった入力でも探されています。スタインバーグ(Steinberg)は DAW の Cubase を作るドイツの会社で、2004年からヤマハのグループ企業です。長く「Steinberg UR」の名前で売られてきた UR22C・UR12・UR22 などのハードウェアは、2025年10月からヤマハブランドに移り、UR22C は URX22C、IXO12・IXO22 は UR12MK3・UR22MK3 に名前が変わりました。中身は同じ製品なので、スタインバーグ時代の解説記事や中古品も同じように参考にできます。ローランドは、EDIROL ブランド時代の UA-22 など古くからオーディオインターフェースを作ってきたメーカーです。

海外の定番メーカー|Focusrite・MOTU・Universal Audio・RME ほか

メーカー特徴代表機種
Focusrite(フォーカスライト)赤い本体の Scarlett(スカーレット)が世界的な定番。自動ゲイン設定など初心者向けの機能Scarlett Solo、2i2、4i4、Vocaster One・Two
MOTU音質とメーターの見やすさで人気。DTM・ギターの定番M2、M4
Universal AudioVolt(ボルト)は入門〜中級、Apollo はプロ用Volt 1、Volt 2、Volt 176、Volt 276、Apollo Twin X
RMEドライバーの安定性と低遅延。プロの定番Babyface Pro FS、Fireface UCX II
PreSonusDAW の Studio One と組み合わせた入門機AudioBox GO、Studio 24c
SSL・Audient・Apogeeスタジオ機材メーカーの音を手ごろな価格でSSL 2 MKII、EVO 4、Duet 3

Universal Audio の Volt シリーズは、Volt 1 と Volt 2 に真空管プリアンプ風の質感にする Vintage モードがあり、Volt 176 と Volt 276 には名機 1176 を手本にしたアナログのコンプレッサーも入っています。歌の粒をそろえた状態で録りたい人に向いています。PreSonus は「プリソーナス」と読み、「ペルソナス」と読まれることもあります。SSL の SSL 2 MKII(旧 SSL2)は、コンソールで有名な SSL の音の傾向を入門価格で試せる機種です。

低価格・配信向けのブランド

メーカー特徴代表機種
Behringer(ベリンガー)とにかく安い。マイクプリは MIDAS 設計UMC22、UMC202HD、UMC404HD
M-Audio低価格の入門機M-Track Solo、AIR 192|4
FIFINE・MAONO通販で人気の低価格帯。配信向けの機能が多いFIFINE SC1、MAONO PS22
Elgato・TC-Heliconゲーム配信者向けWave XLR、GoXLR
Native Instruments(ネイティブインストゥルメンツ)・IK Multimedia・NUXDTM・ギター・スマホ向けの小型機Komplete Audio、iRig シリーズ、UC-2

マイク・ヘッドホン・ギター機材のメーカーとの関係

検索では、オーディオテクニカ(テクニカ)、ソニー(SONY)、ゼンハイザー、AKG、JBL といった名前とオーディオインターフェースを組み合わせて調べる人も多くいます。これらは主にマイク・ヘッドホン・スピーカーのメーカーで、オーディオインターフェースは主力製品ではありません。たとえば「オーディオテクニカのマイクとヤマハのオーディオインターフェース」のように、メーカーをまたいで組み合わせて問題なく使えます。AKG の Lyra や NZXT のマイク(Capsule)は USB マイクなので、オーディオインターフェースを通さずにパソコンへ直接つなぎます。Creative の Pebble はパソコン用のスピーカーで、オーディオインターフェースの出力にもつなげます。

ギター機材のメーカーでは、BOSS・Fender(フェンダー)・Blackstar(Polar シリーズ)・IK Multimedia などが、USB で録音できるアンプやエフェクター、ギター向けのオーディオインターフェースを出しています(ギターの章で詳しく扱います)。TOA は業務用の放送・PA 設備のメーカーで、店舗や会場の音響にオーディオインターフェースを組み合わせる場面で名前が挙がります。

配信・ゲーム・通話での使い方|ループバック・Discord・PS5・Switch

YouTube 配信や歌枠、ゲーム実況、Discord での通話では、オーディオインターフェースの「ループバック」機能と、音の振り分け方がポイントになります。YouTuber や配信者に人気の機材を使っていても、ループバックの設定を間違えると「BGM が視聴者に届かない」「自分の声が二重になる」といったトラブルが起こります。

ループバック機能とは|BGM・カラオケ音源と声を1つにまとめる機能

ループバックとは、英語の loopback(折り返す)という意味のとおり、パソコンやスマホで再生している音を、オーディオインターフェースの中で折り返してマイクの声と混ぜ、もう一度パソコンやスマホへ「入力」として戻す機能です。ループバック機能を使うと、配信アプリはマイクの入力を選ぶだけで、BGM やカラオケ音源と声がまとまった音を受け取れます。スマホ1台で歌枠をする場合、スマホの伴奏と声を混ぜる方法はほぼこれしかないため、スマホ配信にはループバック付きの機種がおすすめです。

ループバックは再生音と声を混ぜて戻す マイクの声 PC・スマホの BGM・伴奏 オーディオIF で混ぜる 配信アプリ へ入力
ループバックを入れると、PCやスマホで再生したBGM・伴奏がオーディオIFの中でマイクの声と混ざり、1つの入力として配信アプリへ戻る

ループバックの使い方は、機種によって本体のスイッチ(ヤマハの AG シリーズの LOOPBACK スイッチなど)で切り替えるものと、付属ソフトの設定画面で切り替えるものがあります。注意点は2つです。1つ目は、配信ソフト(OBS など)でも「デスクトップ音声」を取り込んでいると、BGM が二重に入ってエコーのように聞こえることです。ループバックを使うならどちらか一方にします。2つ目は、Discord などの通話を開きながらループバックを入れると、相手の声が相手自身に返ってしまうことです。通話と配信を同時にする場合は、ループバックに乗せる音を選べる機種(付属ソフトで配信用の音を作れる機種)や、パソコン側の仮想ミキサーで振り分けます。

ゲーム配信・FPS・VTuber での使い方

ゲーム配信は、キャプチャーボードでゲーム画面とゲーム音をパソコンへ入れ、オーディオインターフェースで声を入れる組み合わせが基本です。配信用・配信者向けに作られた機種(Roland の BRIDGE CAST や Elgato の Wave XLR、TC-Helicon の GoXLR など)は、ゲーム音・ボイスチャット・マイク・BGM の音量を別々のつまみで調整でき、ミュートボタンや効果音を出す「ポン出し」の機能を持つものもあります。キャプチャーボードとオーディオ機能を1体型にした製品もあります。

FPS などゲーム用・ゲーミング用途の使い方では、足音を聞き取りやすくする EQ と、遅延の少なさが重視されます。オーディオインターフェースの遅延はゲームの操作感に影響するほどではないことがほとんどですが、ゲームの音をパソコン経由で聞くと遅れを感じる場合は、ヘッドホンをゲーム機やモニター側に挿す方法もあります。VTuber や VRChat、雑談配信では、NVIDIA Broadcast のノイズ除去や、ボイスチェンジャー(ボイチェン)ソフトと組み合わせることも多く、その場合はオーディオインターフェースの入力をソフトで加工してから配信ソフトへ渡します。

Discord・Web会議・通話で使う

Discord(ディスコード)、Zoom 会議、Google Meet などの Web 会議でも、オーディオインターフェースはそのまま使えます。アプリの音声設定で入力デバイスと出力デバイスをオーディオインターフェースにするだけです。通話用に使うときのコツは次のとおりです。

  • アプリ側のノイズ抑制を確認する:Discord のノイズキャンセリング(ノイキャン)や自動音量調整が歌声や楽器の音を削ることがあります。歌や演奏を聞かせるときはオフにします。
  • ループバックは原則オフにする(相手の声が返るのを防ぐため)
  • 入力が2ch(左右)扱いになり、片側のマイクしか聞こえないときは、アプリの設定で入力をモノラルにします。

Discord との相性で「声が小さい」「途切れる」と感じたら、ゲインを上げる前にアプリの入力感度の設定を確認してください。複数のアプリで音を使うときに、どのアプリのマイクを優先するか(優先度)は、Windows のサウンド設定の「既定のデバイス」「既定の通信デバイス」で決まります。

PS5・Switch につなげる?

PS5 は、USB のマイクやヘッドセットを「設定」の「周辺機器」から選んで使えます。USB オーディオインターフェースも標準規格に沿った機種(クラスコンプライアント)なら認識する可能性がありますが、ソニーが対応機種を公表しているわけではなく、ヤマハの AG03 などで認識しないという報告もあります。確実なのは、PS5 やゲーム機の音はキャプチャーボード経由でパソコンに入れ、声はパソコン側のオーディオインターフェースで扱う方法です。

Nintendo Switch の USB 端子に挿したマイクは、対応しているソフト(カラオケのアプリなど)でしか使えず、オーディオインターフェースが使えるという公式の案内はありません。Switch で Discord の通話をしながら遊ぶ場合も、ゲーム音をキャプチャーボードやミキサーでパソコンにまとめ、通話はパソコン側で行う方法が確実です。

歌ってみた・宅録・カラオケでの使い方|ボーカル録音の手順

歌ってみたや宅録で歌を録音するときは、マイクのつなぎ方、ゲイン、自分の声のモニタリングの3つを押さえれば、録音のやり方自体は難しくありません。ここではボーカル録音に絞って、オーディオインターフェースの使い方を順番に説明します。

マイクのつなぎ方|コンデンサーマイクとダイナミックマイク

  1. マイクとオーディオインターフェースを XLR ケーブルでつなぐ(マイク入力の端子へ)
  2. コンデンサーマイクなら 48V ファンタム電源をオンにする(ダイナミックマイクならオフのまま)
  3. オーディオインターフェースとパソコンを USB ケーブルでつなぎ、DAW の入力に選ぶ
  4. ヘッドホンをオーディオインターフェースのヘッドホン端子に挿す

コンデンサーマイクは感度が高く、声の細かなニュアンスまで録れるため、歌ってみたの録音で定番です。ダイナミックマイクは部屋の反響や生活音を拾いにくいので、防音していない部屋での録音や配信に向いています。どちらを使うかでマイク音質の傾向が変わるため、録音の音質を上げたいなら、まずマイクの選び方を見直すのが近道です。マイクとオーディオインターフェースがセットになった商品を選ぶと、ケーブルまで一式そろいます。

なお、服に付けるピンマイクやスマホ用の小さなマイクは、端子が 3.5mm で「プラグインパワー」という別の電源方式を使うものが多く、そのままではオーディオインターフェースの XLR 入力で動きません。ナレーションや動画撮影でピンマイクを使うなら、プラグインパワー対応の変換器を使うか、XLR 端子のピンマイクを選びます。

自分の声を聞く|ダイレクトモニターの使い方

録音中に自分の声が聞こえる状態にすることを「モニタリング」といいます。パソコンを経由した声は、処理の分だけわずかに遅れて聞こえます。わずかな遅れでも、歌う人には「声が遅れて返ってくる」違和感になり、リズムや音程がずれる原因になります。そこで、オーディオインターフェースの中で入力の声をそのままヘッドホンへ返すのが「ダイレクトモニター(ダイレクトモニタリング)」です。

ダイレクトモニターなら声が遅れずに聞こえる マイク オーディオIF パソコン ヘッドホン 直接 遅れる
パソコンを経由した声(点線)はわずかに遅れるが、ダイレクトモニター(緑)はオーディオIFの中で声をヘッドホンへ直接返すので遅れない

ダイレクトモニターを使うときは、DAW 側の「入力モニタリング」をオフにしないと、直接の声と遅れた声が二重に聞こえます。機種によっては「MONITOR MIX」や「DIRECT MONITOR」のつまみで、自分の声と伴奏の聞こえ方のバランスを調整できます。歌いやすさのためにヘッドホンの声に軽くリバーブ(エコー)をかけたい場合は、DSP でモニター音にだけエフェクトをかけられる機種が便利です。録音するファイルには素の声を残しておくと、あとのミックスで自由に調整できます。

カラオケ・ポケカラ・ボカロ・作曲での使い方

自宅のカラオケ練習では、スマホやパソコンで伴奏を流し、マイクの声と一緒にヘッドホンやスピーカーで聞く使い方になります。ポケカラなどのカラオケアプリで録音するときも、iPhone やスマホにオーディオインターフェースをつなげば、アプリの内蔵マイクより良い音で録れる場合があります(アプリがオーディオインターフェースの入力に正式対応しているかは、アプリ側の案内を確認してください。つなぎ方はスマホの章で説明します)。

ボカロ P の作曲や、初音ミクなどの歌声合成ソフトでの曲づくり、HIPHOP のビートメイクでは、マイク入力よりもモニタースピーカーへの出力や MIDI キーボードとの連携が中心になります。ビートボックスやラップの録音は声の瞬間的な音量が大きいので、ゲインを低めにして音割れを防ぐことが大切です。録った歌ってみたの作品は、当サイトの歌ってみたポータルで他の人の作品と一緒に聴くこともできます。

ギター・ベースをつなぐ|Hi-Z・DI・エフェクター・アンプとの併用

ギターやベースを録音・練習するときのオーディオインターフェースの使い方は、どこで音を作るかで3通りに分かれます。ギターを直接つないでパソコンのソフトで音を作る方法、エフェクターで作った音を入れる方法、アンプやアンプシミュレーターの出力を入れる方法です。

ギターの音をどこで作るかで3通りのつなぎ方 ①直接つなぐ(音作りはPCのソフト) ギター → IFのHi-Z入力 ②エフェクターで作る ギター → エフェクター → IF(ライン) ③USB付きのアンプ・マルチ ギター → アンプ・マルチ → USBでPCへ
ギターはオーディオIFのHi-Z入力に直接つなぐか、エフェクターの出力をライン入力に入れるか、USB録音できるアンプやマルチエフェクターからパソコンへ送る

①ギター・ベースを直接つなぐ|Hi-Z 入力と DI

いちばん基本のつなぎ方は、エレキギターやベースをシールドケーブルでオーディオインターフェースの Hi-Z 入力(INST)に直接接続する方法です。INST/LINE の切り替えがある機種では INST 側にします。音作りはパソコンのアンプシミュレーター(AmpliTube などのソフトやプラグイン)で行い、録音後に音色を変えられるのが利点です。

ベースも同じ Hi-Z 入力でつなげます。ライブハウスでは DI(ダイレクトボックス)を通してベースを卓へ送りますが、オーディオインターフェースの Hi-Z 入力は DI の役割を兼ねているため、宅録やベース練習では DI 接続は基本的に不要です。ベースの録音では、低音が大きいのでゲインを上げすぎないことがポイントです。

注意点として、シールドを抜き差しするときは、ヘッドホンやスピーカーの音量を下げてから行ってください。「バチッ」という大きな音が出て、スピーカーや耳を傷める原因になります。ギターの音が出ない、ノイズが大きいときの対処は、後のトラブルの章でまとめて説明します。

②エフェクター・アンプとの併用とリアンプ

ふだん使っているギターエフェクター(コンパクトエフェクターやマルチエフェクター、ワウペダルなどのペダル)で音を作ってから録りたい場合は、ギター → エフェクター → オーディオインターフェースの順につなぎます。マルチエフェクターの出力はライン出力のことが多いので、オーディオインターフェース側は LINE にします。ギターアンプと併用するなら、アンプのライン出力やヘッドホン出力(アンプシミュレーター付きのもの)をライン入力へ入れるか、アンプのスピーカーの前にマイクを立てて録ります。アンプのスピーカー出力を直接つなぐのは故障の原因になるので絶対にやめてください。

パソコンの音を外部エフェクターに通して戻す「センドリターン」や、録音済みのギターの素の音を実機のアンプに送り直して録り直す「リアンプ」は、出力の多い機種で行える上級者向けの使い方です。

③USB 録音できるアンプ・マルチエフェクター|GO シリーズ・TONEX など

最近のギターアンプやマルチエフェクターの中には、USB でパソコンにつなぐとオーディオインターフェースとして使える製品が増えています。これらを持っていれば、別にオーディオインターフェースを買わなくてもギターの録音や練習ができます。

製品種類USB 録音
Positive Grid Spark GO小型アンプ対応(Windows はドライバーが必要)
BOSS KATANA:GOヘッドホンアンプ対応(エフェクト後の音)
Line 6 POD Goマルチエフェクター対応
IK Multimedia TONEX Pedalアンプモデラー対応
ZOOM G6マルチエフェクター対応
BOSS ME-90(ME90)・GT-1・GT-1000マルチエフェクター対応
Valeton GP-5小型マルチ対応

Spark GO の接続は、USB ケーブルでパソコンやスマホにつなぎ、録音ソフトの入力に Spark GO を選ぶ使い方です(iPhone で使う場合の端子の変換はスマホの章を参照してください)。POD Go や TONEX Pedal の接続も同じ考え方で、機材側の USB 端子とパソコンをつなぎます。ただし、ギター用の機材はマイク入力を持たないものが多いため、歌も一緒に録りたい弾き語りでは、マイク入力のあるオーディオインターフェースが別に必要です。旧機種の BOSS GT-001 のように USB 録音に対応していた製品もありますが、対応内容は機種ごとに違うので、使う前に取扱説明書で確認してください。

キーボード・MIDI・ドラム・ライブでの使い方

キーボードや電子ピアノ、ドラムの録音、ライブでの同期演奏にもオーディオインターフェースは使われます。楽器によって「音(オーディオ)を録るのか」「演奏情報(MIDI)を送るのか」が変わるので、まずその違いを押さえましょう。

キーボード・ピアノの接続と MIDI の違い

電子ピアノやシンセサイザーの「音」を録るなら、楽器のライン出力(左右2本)をオーディオインターフェースのライン入力へ接続します。一方、MIDI とは「どの鍵盤を、どの強さで、いつ弾いたか」という演奏情報の信号で、音そのものではありません。MIDI キーボードは USB でパソコンに直接つなぐものがほとんどで、パソコンのソフト音源が音を鳴らし、その音がオーディオインターフェースから出ます。古い楽器のように5ピンの MIDI 端子しかない場合は、MIDI 端子付きのオーディオインターフェースを使うと、別に MIDI 変換器を用意せずに済みます。

MIDIは演奏情報、オーディオは音そのもの MIDIキーボード:演奏情報を送る 鍵盤(MIDI) → PCの音源 → IFから音が出る 電子ピアノ・シンセ:音を送る 楽器の音 → IFのライン入力 → PCで録音
MIDIキーボードは演奏情報をPCの音源に送ってオーディオIFから鳴らし、電子ピアノやシンセは音そのものをオーディオIFのライン入力から録る

Roland の FANTOM-0 シリーズ、FA-06、MC-707、P-6 など、シンセサイザーやグルーヴボックスには USB オーディオインターフェースの機能を内蔵した機種があり、USB ケーブル1本で音と MIDI の両方をパソコンとやり取りできます。旧機種の SD-90(EDIROL)のような音源モジュールや、声を加工する VT-4(VT4)のようなボイストランスフォーマーにも USB で音を送れるものがあります。入出力の数は機種ごとに違うので仕様書で確認してください。

ドラム・バンドの録音|多チャンネル機とレコーダー・ミキサー

生ドラムは、キック・スネア・タム・オーバーヘッドなど複数のマイクで録るため、8ch 以上の入力が必要になります。TASCAM の8入力の機種のような多チャンネルのオーディオインターフェースを使うほか、ZOOM の R8・R16 のようなマルチトラックレコーダーや、LiveTrak の L-8(L8)・L6 のようなミキサーには、パソコンにつなぐとオーディオインターフェースとして使えるものがあります。ハンディレコーダーの H6essential や F3、TASCAM の DR-05X・DR-07X、ZOOM R4 なども USB で録音に使えます(レコーダーとしての録音とオーディオインターフェースとしての動作を同時にできるかは機種によって違います)。ヤマハの 01V96i のように、デジタルミキサーが USB で多チャンネルの録音に対応している例もあります。

ライブでの使い方|同期演奏・同期音源と PA

ライブでは、パソコンから同期音源(バンドで演奏しないパートの音やクリック)を流し、その音をオーディオインターフェースの出力から PA(会場の音響卓)へ送る「同期演奏」でよく使われます。ライブ用・ライブで使う機種を選ぶときのポイントは次のとおりです。

  • 同期音源(会場へ)とクリック(ドラマーのイヤモニへ)を分けて出せる、4出力以上の機種にする
  • ライブハウスの卓につなぐ出力は、ノイズに強いバランス出力(TRS・XLR)を使う
  • ドライバーが安定していて、長時間でも音が途切れないこと

演劇や舞台では、QLab などのソフトで効果音や BGM を出すためにオーディオインターフェースを使います。どの場面でも、本番前に同じ機材で通しのリハーサルをして、音が途切れないことを確認しておくのが大切です。

パソコン・スピーカー・ヘッドホンへのつなぎ方|端子とケーブル

オーディオインターフェースのつなぎ方は、「入力はマイクや楽器」「USB はパソコン」「出力はスピーカーとヘッドホン」の3方向で考えると迷いません。ここでは出力側を中心に、接続方法とケーブルの選び方をまとめます。

オーディオIFを中心にした3方向のつなぎ方 オーディオIF マイク・楽器 INPUT パソコン USB スピーカー MAIN OUT ヘッドホン PHONES USBの線は音の行きと帰りの両方を運ぶ
マイクや楽器はINPUTへ、パソコンとはUSB1本で行き来し、スピーカーはMAIN OUTへ、ヘッドホンはPHONESへつなぐ

パソコン・Mac との接続方法と設定

パソコンとの繋ぎ方は、付属の USB ケーブルで接続するだけです。Windows は先にメーカーのドライバーをインストールしてから接続し、Mac(MacBook を含む)は多くの機種でそのまま認識されます。接続したら、OS のサウンド設定で出力先をオーディオインターフェースにすると、パソコンから音を出す(YouTube や音楽を再生する)ときもオーディオインターフェース経由で聞けるようになります。ノート PC で使う場合も同じです。Linux でもクラスコンプライアントの機種なら動く場合がありますが、メーカーが動作を保証していないことがほとんどです。

USB ハブを通すと電力不足や認識の不安定さの原因になりやすいので、できるだけパソコン本体の USB 端子に直接つなぎます。接続ケーブル(USB ケーブル)は付属品か、データ通信に対応した品質の確かなものを使い、長さは 1〜2m 程度にします(長すぎると不安定になることがあります)。USB のデジタル信号は、ケーブルを高価なものに変えても音質は基本的に変わりません。Type-C どうしのケーブルを使う場合は、充電専用のケーブルでは認識しない点に注意してください。

モニタースピーカー・ヘッドホン・イヤホンへの接続

モニタースピーカーは、オーディオインターフェースの「MAIN OUT(メインアウト)」「LINE OUT(ラインアウト・ライン出力)」などアウトプットと書かれた出力端子に、左右(L R)1本ずつケーブルでつなぎます。出力端子がバランス出力(TRS フォーン・XLR 出力)の機種なら、バランス接続対応のスピーカーと TRS ケーブルや XLR ケーブルでつなぐとノイズを拾いにくくなります。アンプを内蔵したパワードスピーカー(アクティブスピーカー)なら直接つなげますが、アンプを持たないパッシブスピーカーは、間にパワーアンプが必要です(アンプのワット数はスピーカーに合わせます)。「MONITOR」「MON」と書かれたつまみは、このスピーカーとヘッドホンに出す音量(モニターとは、自分で聞いて確認する音のことです)を調整するものです。

ヘッドホンは「PHONES」端子に挿します。ほとんどの機種の端子は 6.3mm(標準プラグ)なので、3.5mm のイヤホンを使う場合は変換プラグ(イヤホン変換アダプタ)を使います。イヤホンジャックが 3.5mm の機種もあります。リケーブルした 4.4mm のバランス接続のヘッドホンは、一般的なオーディオインターフェースの端子にはそのままつなげません。録音用のヘッドホン選びは機材検索(ヘッドホン)も参考にしてください。

ミキサー・レコードプレーヤー・光デジタルの接続

ミキサーとつなぐ場合は、ミキサーの出力(ステレオアウト)をオーディオインターフェースのライン入力 2つへ、ケーブルで繋げるのが基本です。ミキサー側の音量を上げすぎると音が割れるので、両方のメーターを見ながら調整します。レコードプレーヤーの音をデジタル化したいときは、プレーヤーの出力がそのままでは小さすぎる(フォノ出力)ことが多いため、フォノイコライザー(内蔵のプレーヤーならライン出力)を通してからライン入力へ入れます。

光デジタル入力・光デジタル出力(オプティカル)を持つ機種は、デジタルのまま機器どうしをつなげます。対応するマイクプリアンプを光ケーブルでつなげば入力の数を増やせ、ゲーム機やテレビの光デジタル出力からのデジタル入力として使える場合もあります。5.1ch や 7.1ch のサラウンドを本格的に鳴らすには、6〜8個の出力と対応ソフトが必要で、ゲームのバーチャルサラウンドとは別のものです。

2台接続・複数接続はできる?

1台のパソコンにオーディオインターフェースを2つ接続すること自体はできますが、DAW で同時に使えるかは OS によって違います。Mac は「Audio MIDI 設定」で複数の機器を1つにまとめる機能(機器セットアップ)があり、Windows は ASIO ドライバーの仕組み上、1つのソフトで使えるのは基本的に1台です。入力が足りなくなったなら、2台を複数接続するより、入力の多い機種へ買い替えるか、光デジタル入力で増設するほうが安定します。反対に、1台のオーディオインターフェースを2つのパソコンで使う「2PC 配信」は、USB 端子を2つ持つ(デュアル USB・Dual USB の)配信向け機種や、ミキサーを間に挟む方法で行います。

iPhone・iPad・Android スマホで使う方法

オーディオインターフェースはスマホにもつなげます。スマホで歌枠の配信をする、カラオケアプリで録音する、GarageBand(ガレージバンド)で弾き語りを録る、といった使い方です。スマホ接続で気をつけるのは、「端子の形」と「電源が足りるか」の2つです。

iPhone・iPad との接続方法|Lightning と USB-C

iPhone 15 以降や USB-C 端子の iPad は、USB-C ケーブルでオーディオインターフェースと直接つなげます。オーディオインターフェース側も USB-C(タイプC)なら、Type-C どうしのケーブル1本で済みます。Lightning(ライトニング)端子の iPhone や iPad は、Apple 純正の「Lightning - USB 3カメラアダプタ」を間に入れて接続します。このアダプタには給電用の Lightning 端子が付いていて、充電器をつなぎながら使える(パススルーで給電できる)点が大切です。

iPhoneの端子で変わるつなぎ方と給電 USB-C の iPhone・iPad iPhone USB-C直結 オーディオIF Lightning の iPhone・iPad iPhone カメラアダプタ オーディオIF 充電器で給電
USB-CのiPhoneやiPadは直結でき、Lightningの機種はLightning - USB 3カメラアダプタを挟み、アダプタに充電器をつないで電源を補う

スマホからの電源(バスパワー)だけでは電力が足りず、オーディオインターフェースが動かないことがあります。特にコンデンサーマイクの 48V を使うと電力が増えるため、カメラアダプタ経由で給電するか、給電用の USB 端子を別に持つ機種を選びます。スマホに対応した機種は、iPhone 用の接続方法や給電の方法を取扱説明書に載せているので確認しておくと安心です。iPhone やスマホで安く始めたい場合も、この「スマホ対応」の表記がある機種から選ぶのが確実です。

Android スマホで使う|対応機種と注意点

Android も、Android 5.0 以降は USB のオーディオ機器(USB Audio Class の UAC1 などの規格)に標準で対応しています。スマホ側が USB-C なら、USB-C ケーブルや OTG(スマホをホストにする)対応の変換アダプタでつなぎます。ただし Android はスマホのメーカーや機種によって動作に差があり、アプリによっては 48kHz までしか扱えない、入力が認識されないといったことがあります。Android の携帯で使う予定なら、購入前にメーカーの動作確認情報や、同じスマホの機種で使えた例を確認してください。

スマホでの使い方|配信・録音アプリの設定

  1. オーディオインターフェースにマイクとヘッドホン(イヤホン)をつなぐ
  2. スマホとオーディオインターフェースを接続し、必要なら給電する
  3. 配信アプリや録音アプリを開き、マイクの入力が外部機器に切り替わったか確認する
  4. スマホで伴奏を流しながら歌うなら、ループバックをオンにする

スマホ用に小型のミキサー(Roland の GO:MIXER PRO-X など)を使う方法もあり、スマホ配信向けのものは電池でも動くため外に持ち出しやすいのが特徴です。ギターの GO シリーズのように、スマホに直接つないで使えるギター機材もあります(iPhone で Spark GO などを使う場合も、端子の変換と給電の考え方は同じです)。

オーディオインターフェースの使い方と設定|ドライバー・DAW・ゲイン

買ってきたオーディオインターフェースを使えるようにする設定は、ドライバーのインストール、DAW やアプリの入出力の設定、ゲインの調整の3段階です。いちばん音に効くのはゲインの合わせ方なので、ここを丁寧に説明します。

ドライバーのインストールと DAW の設定

Windows では、接続する前にメーカーのサイトから専用ドライバーをダウンロードしてインストールします(ヤマハの機種なら Yamaha Steinberg USB Driver など)。インストール後に接続し、DAW の設定画面(オーディオ設定・デバイス設定)で、ドライバーに ASIO を選び、入力と出力にオーディオインターフェースを指定します。Mac は多くの機種でドライバー不要ですが、付属ソフト(ミキサーやループバックの設定アプリ)は別にインストールします。

DAW は、付属の Cubase AI(キューベース)のほか、Mac の GarageBand や Logic Pro(ロジックプロ)、Studio One、Bitwig、Roland の Zenbeats など多くの種類があり、無料で使えるものもあります。どの DAW でもオーディオインターフェースの設定の考え方は同じで、VST などのプラグイン(エフェクトや音源のソフト)も DAW の中で使います。DAW の選び方と比較はDAWとはで詳しく解説しています。Cubase を使うならヤマハの機種、Studio One なら PreSonus の機種というように、同じ会社の組み合わせは連携機能が多く便利ですが、他社の組み合わせでも問題なく使えます。

ゲインとは|どれくらい上げる?ピークとクリップの見方

ゲインとは、入力の音をどれくらい増幅するかを決めるつまみで、本体には「GAIN」と書かれています。GAIN とは英語で「増幅量」という意味です。ボリューム(出力の音量)とは別もので、ゲインは「録る音の大きさ」、ボリュームは「聞く音の大きさ」と覚えると区別できます。入力ゲインの合わせ方は次のとおりです。

  1. 本番でいちばん大きく歌う部分(サビの高音など)を、本番と同じ距離で歌う
  2. 本体のピークランプ(PEAK・CLIP と書かれたランプ)が赤く光らない範囲でゲインを上げる(PEAK とは音のいちばん大きい瞬間のことです)
  3. DAW のメーターで、いちばん大きい部分が -6dB 前後、ふだんの部分が -18〜-12dB 前後に収まれば目安どおり
録音レベルは赤に届かない範囲に合わせる ふだんの声 サビの山 割れ -12dB -6dB 0dB 大きい部分でも赤(0dB)に届かないように
ふだんの声は-18〜-12dB前後、いちばん大きいサビの山でも-6dB前後に収め、0dBの赤(音割れ)に届かないようにゲインを合わせる

メーターが 0dB に届いて音が割れることをクリッピング(クリップ)といい、割れた音は後から直せません。反対にゲインが低すぎると、後で音量を上げたときにノイズも一緒に大きくなります。レベルとは、この録音される音の大きさのことで、メーターに「LEVEL」と表示する機種もあります。つまり GAIN で LEVEL を整える、という関係です。「ゲインを上げても声が小さい」ときは、マイクとの距離が遠すぎるか、感度の低いダイナミックマイクに対してプリアンプの増幅が足りていない可能性があります。

エフェクト付き・DSP の機能とルーティング

エフェクト付きの機種には、リバーブ付き(エコー付き)、コンプレッサー、EQ(イコライザー)、リミッターなどを内蔵したものがあります。リバーブ機能は歌いやすさのためにヘッドホンの声にかけ、コンプレッサーやリミッターは急に大きな声を出したときの音割れを防ぐのに使います。配信でよく聞く「ケロケロ」した声(ピッチ補正を強くかけた効果)は、オーディオインターフェースではなく、ボイスチェンジャーやピッチ補正のソフトで作るのが一般的です。歪みやピッチの揺れを加える効果も同じです。

付属のソフトウェアミキサーでは、どの入力の音をどの出力やループバックへ送るかという「ルーティング」を切り替えます。上位機種には、スピーカーの音量を一時的に下げる DIM ボタンや、ブースの演奏者に話しかけるトークバック機能もあります。ヤマハの AG シリーズや Volt など、機種ごとの詳しい使い方はメーカーの取扱説明書と公式の動画で確認できます。

遅延(レイテンシー)の原因と対策|バッファサイズの決め方

「弾いた音や歌った声が遅れて聞こえる」「伴奏と録音した声がずれる(音ズレ)」という悩みの多くは、レイテンシー(遅延)が原因です。オーディオインターフェースの遅延は、パソコンが音をまとめて処理するための待ち時間(バッファ)から生まれます。

レイテンシーが生まれる仕組みとバッファサイズ

パソコンは音を1サンプルずつではなく、ある程度の量をためてからまとめて処理します。このためておく量が「バッファサイズ」(ソフトによってはブロックサイズ)で、64・128・256・512 のようにサンプル数で設定します。バッファサイズを小さくすると遅延は減りますが、パソコンの処理が追いつかないと音が途切れる・プツプツとノイズが出るようになります。大きくすると安定しますが、遅延が増えます。

バッファサイズは遅延と安定のトレードオフ 小さい(64〜128) 遅延が少ない 途切れやすい → 録音・演奏時 大きい(512〜) 遅延が増える 動作が安定 → ミックス時 作業に合わせて切り替えるのが基本
バッファサイズが小さいと遅延は少ないが途切れやすく、大きいと安定するが遅れる。録音時は小さく、ミックス時は大きくする

遅延を減らす対策

  • 録音するときだけバッファサイズを小さくする:128 前後から試し、音が途切れたら一段大きくします。ミックスでプラグインをたくさん使うときは 512 以上に戻します。
  • ダイレクトモニターを使う:歌やギターの録音中の自分の音は、パソコンを通さずに聞けばバッファの遅延がゼロになります。
  • Windows は ASIO ドライバーを使う:標準のドライバー(MME・WASAPI)は遅延が大きくなりがちです。メーカーの ASIO ドライバーを入れて選びます。
  • パソコンの負担を減らす:録音中は不要なアプリを閉じ、ノートパソコンは電源につないで省電力設定を切ります。

レイテンシーの小ささは、機種によっても差があります。低遅延・低レイテンシーをうたう機種は、ドライバーの効率が良く、同じバッファサイズでも遅延が短い傾向があります。ただしメーカーが公表する数値は測定条件が違うため、レイテンシーの比較は同じ条件で測ったレビューを参考にするのが確実です。ゲームの遅延が気になる場合は、ゲーム音をパソコン経由で聞かず、ゲーム機やモニターから直接聞く方法も検討してください。

録音した音がずれる(音ズレ)ときは

ヘッドホンで伴奏に合わせて歌ったのに、録った声が伴奏より遅れて入っている場合は、DAW の「録音レイテンシーの補正」の設定を確認します。多くの DAW はオーディオインターフェースが報告する遅延の値を使って自動で補正しますが、機種やドライバーによってはずれが残るため、手動で補正値を入れられる DAW もあります。クリック音を録音してずれの量を測ると、補正すべき値がわかります。

ノイズの原因と対策|ホワイトノイズ・プツプツ音・ジーという雑音

オーディオインターフェースのノイズは、聞こえ方(音の種類)で原因をかなり絞り込めます。「サー」「プツプツ」「ジー」「キーン」のどれに近いかを確かめてからノイズ対策をすると、ひどいノイズでも早く解決できます。

ノイズの聞こえ方ごとの主な原因 サー(ホワイト) ゲインの上げすぎ プツプツ 処理落ち・USB ジー・ブーン 電源・グランドループ キーン・ピー ハウリング
サーという音はゲインの上げすぎ、プツプツは処理落ちやUSB、ジーやブーンは電源やグランドループ、キーンやピーはハウリングが主な原因

サー・ザーザー音(ホワイトノイズ)の原因と対策

「サー」「ザーザー」という連続した雑音はホワイトノイズと呼ばれ、ゲインを上げすぎたときや、マイクと口の距離が遠くて足りない音量をゲインで補っているときに目立ちます。対策は、マイクに近づいて歌い、ゲインを必要以上に上げないことです。低価格帯の機種はゲインを上げきったときのノイズが大きい傾向があり、感度の低いマイクと組み合わせると差が出ます。

イヤホンで聞いたときだけホワイトノイズが目立つ場合は、感度の高いイヤホンがヘッドホン出力の小さなノイズまで拾っていることが原因です。出力のノイズは機種ごとの特性なので、ヘッドホンに替えるか、出力の静かな機種を選びます。FIFINE やヤマハなど特定の機種名とホワイトノイズで検索される症状も、多くはこのゲインとイヤホンの組み合わせで説明できます。録音後にノイズ除去のプラグインで消す方法もありますが、声まで痩せやすいので、録る段階で減らすのが基本です。

プツプツ・ブツブツ・バリバリ音の原因と対策

プツプツ音やブツブツ音、「ブチブチ」と途切れるような音や「バリバリ」という音は、パソコンの処理が追いつかない処理落ちが主な原因です。前の章のバッファサイズを大きくする、USB ハブをやめてパソコンに直接つなぐ、USB ケーブルを交換する、サンプリングレートを 48kHz に下げる、の順に試します。ノイズが定期的(数秒〜数十秒おき)に出る場合は、Wi-Fi や Bluetooth、ウイルス対策ソフトなどバックグラウンドの処理が割り込んでいることがあり、それらを一時的に止めて変化を確かめます。複数のデジタル機器をつないでいるときはクロックのずれも原因になります。

ジー・ビリビリ・ジリジリ音(グランドループ)の原因と対策

「ジー」「ブーン」というハム音や「ビリビリ」「ジリジリ」という音は、電源やアースの問題であることが多く、代表例がグランドループです。パソコンとスピーカーなど、複数の機器が別々のコンセントとケーブルでつながり、アース(電気の基準)がループ状になるとノイズが乗ります。対策は、機器の電源を同じ電源タップから取る、バランス接続のケーブルに替える、USB アイソレーターやノイズフィルターを挟む、などです。ノートパソコンでは、充電器を抜いたらノイズが消えることもあります(原因の切り分けに使えます)。スマホや電源アダプター、磁石を使った機器をケーブルに近づけると拾うノイズもあるので、配線から離して置きましょう。

キーン・ピー・ビープ音とガリの対策

キーン音やピー音のような高い音は、マイクがスピーカーの音を拾って回り込むハウリングです。スピーカーの音量を下げる、マイクをスピーカーに向けない、録音中はヘッドホンで聞く、で防げます。機器の電源を入れたときなどに鳴る「ピー」というビープ音が続く場合は、機器の異常を知らせていることがあるので取扱説明書を確認します。つまみを回したときの「ガリ」というノイズは、つまみの内部の接点の汚れや劣化が原因で、何度か回すと治ることもありますが、続くなら修理を検討します(手入れの章で説明します)。ギターのノイズは、シールドケーブルの劣化やギター本体のノイズ、パソコンの近くでの演奏が原因のことも多いので、ギターをパソコンやモニターから離して弾いてみてください。

音が出ない・認識しない・片方しか聞こえないときの対処

「つないだのに音が出ない」「パソコンが認識しない」「マイクが反応しない」というトラブルは、故障より設定やつなぎ方の見落としがほとんどです。ケーブル → パソコンの認識 → アプリの設定 → 本体のつまみの順に確かめると、どこで止まっているかがわかります。

音が出ないときに確かめる4つの順番 ① ケーブル・電源・USBの差し込み ② パソコンが認識しているか(ドライバー) ③ アプリの入力・出力の選択 ④ 本体のゲイン・48V・モニター音量
音が出ないときは、ケーブルと電源、パソコンの認識、アプリの入出力の選択、本体のつまみの順に確かめる

パソコンが認識しない・DAW で読み込まないとき

  • USB ケーブルとポート:充電専用のケーブルではないか、USB ハブを通していないか。別の USB 端子や別のケーブルで試します。
  • ドライバー:Windows で認識しないときは、メーカーのサイトから最新のドライバーを入れ直します。OS の大型アップデートの後に認識しなくなることもあります。
  • 電源:電源スイッチや AC アダプターが必要な機種ではないか、バスパワーの電力が足りているかを確認します。
  • DAW の設定:Cubase でオーディオインターフェースを読み込まない、Studio One(スタジオワン)で認識しない、という場合は、DAW を起動する前にオーディオインターフェースを接続し、DAW のオーディオ設定でドライバー(ASIO)を選び直します。他のアプリがオーディオインターフェースを使用中だと選べないことがあります。

動作確認は、OS のサウンド設定の入力メーターが声に反応するか、パソコンで YouTube を再生して音が出るかで行います。どちらもダメならパソコンとの接続、片方だけならアプリの設定を疑います。

ヘッドホンから音が出ない・録音できないとき

ヘッドホンから音が出ないときは、ヘッドホンの音量つまみ(PHONES)とモニター音量のつまみが絞られていないか、OS の出力先がオーディオインターフェースになっているかを確認します。YouTube やユーチューブの再生音だけ出ないなら、ブラウザや OS の出力先がパソコン内蔵のスピーカーのままになっていることがほとんどです。

マイクが反応しない・録音できない(録音しない)ときは、次を確かめます。

  1. コンデンサーマイクなら 48V がオンになっているか
  2. ゲインのつまみが上がっているか、ミュートボタンが押されていないか
  3. DAW のトラックの入力が、マイクをつないだ入力番号(IN1 など)になっているか
  4. トラックの録音待機ボタンがオンになっているか
  5. Windows や Mac のプライバシー設定で、アプリのマイク使用が許可されているか

片方しか聞こえない・左しか聞こえないとき

マイクの声がヘッドホンの左しか聞こえない、片方しか聞こえないのは故障ではなく、よくある仕様です。オーディオインターフェースの入力1は左、入力2は右として扱われるため、マイクを入力1につなぐと声が左にだけ入ります。対策は次のいずれかです。

  • DAW ではモノラルのトラックに録音する(再生時は中央から聞こえます)
  • 本体に「MONO」スイッチがある機種ならオンにして、ダイレクトモニターの音を中央にする
  • 配信ソフトや通話アプリでは、マイクの入力をモノラルに設定する(OBS なら音声の詳細プロパティで「モノラル」にチェック)

パソコンで再生した音楽まで片方しか聞こえない場合は、ヘッドホンのプラグが奥まで挿さっていない、ステレオとモノラルの変換プラグを使っている、ケーブルが断線している、といった原因を疑います。

ワイヤレス・Bluetooth で使える?イヤホン・ヘッドホン・マイクの無線化

ワイヤレスイヤホンや Bluetooth のヘッドホンでオーディオインターフェースの音を聞けるか、という質問はとても多いです。結論からいうと、Bluetooth 対応のオーディオインターフェースはごく一部で、録音や歌のモニターには Bluetooth は向きません。

Bluetooth(ブルートゥース)が録音に向かない理由

Bluetooth は音を圧縮して無線で送るため、送受信に遅延が発生します。音楽を聞くだけなら気になりませんが、自分の声を聞きながら歌う、伴奏に合わせてギターを弾くといった場面では、声や音が遅れて返ってくるため、リズムや音程が合わせられません。多くのオーディオインターフェースが Bluetooth のイヤホンやヘッドホンに接続する機能を持たないのはこのためです。ブルートゥースイヤホンやワイヤレスヘッドホンをパソコンに直接つないで聞くことはできますが、その場合はオーディオインターフェースを通らない音になり、ダイレクトモニターも使えません。

一部のミキサー型の機種には Bluetooth の受信機能があり、スマホの音楽を無線で入力して BGM に使えるものがあります。これは「入力」を無線にする機能で、ワイヤレスイヤホンへの「出力」とは別物なので、購入前に Bluetooth 対応の中身を確認してください。

ヘッドホン・イヤホンを無線化したいとき

どうしてもケーブルをなくしたい場合は、Bluetooth ではなく、遅延の小さい専用の無線方式を使います。

  • ワイヤレスのイヤモニ(インイヤーモニター)システム:ライブ用の送信機(トランスミッター)をオーディオインターフェースのヘッドホン出力やライン出力につなぎ、受信機にイヤホンを挿します。遅延が小さく、歌いながら動き回れます。
  • 2.4GHz 帯の低遅延ワイヤレスヘッドホン・ワイヤレスヘッドセット:ゲーム用に作られたもので、Bluetooth より遅延が小さい製品があります。ただし録音で使えるほど小さいかは製品ごとに違います。

無線ヘッドセットや無線ヘッドホン、無線イヤホンで配信や通話をする場合は、マイクの声はヘッドセット側のマイクになり、オーディオインターフェースにつないだマイクの音質は生かせません。声の音質を優先するなら、有線のヘッドホン・イヤホンでモニターするのが確実です。

マイクのワイヤレス化

マイクをワイヤレス化するなら、ワイヤレスマイク(無線マイク)のシステムを使います。送信機と受信機のセットで、受信機の出力(XLR 出力)をオーディオインターフェースのマイク入力へつなげば、有線のマイクと同じように録音や配信に使えます。今持っているダイナミックマイクに小さな送信機を挿して無線化する製品もあります。ライブや動き回る配信、動画撮影で便利ですが、電波の混信や電池切れに備えて、長時間の配信や大事な録音では有線のマイクも用意しておくと安心です。ネットワーク経由で音声や映像を送る NDI などの仕組みもありますが、これは主に映像配信の現場で使う技術で、個人の録音や配信では使う場面は少ないでしょう。

置き場所・収納と長く使うための手入れ|寿命・修理

オーディオインターフェースは、つまみやボタンを録音中に触る機材です。どこに置くか(置き場所)は「座ったまま手が届く」「ケーブルが引っ張られない」「熱がこもらない」の3つを満たす場所を選ぶと、使いやすく長持ちします。

置き場所の決め方|デスク上・デスク下・天板裏

基本はデスクの上の、利き手側の手前です。ゲインやヘッドホンの音量、ミュートを歌いながら操作できます。モニタースピーカーを使うなら、スピーカーは左右に離して耳の高さに向け、オーディオインターフェースはその間ではなく手元に置きます。

デスクを上から見たオーディオIFの置き場所 モニター画面 スピーカー スピーカー キーボード オーディオ IF 手前(座る位置)・利き手側に置く
スピーカーは画面の左右奥に離して置き、オーディオIFは座ったまま手が届く利き手側の手前に置く

机が狭くて置き場がない場合は、次のような置き方もあります。

  • デスク下・机の下・天板裏:天板の裏にクランプやホルダーで固定する方法です。机の上は広くなりますが、つまみを操作しにくくなるので、ゲインを一度決めたらほとんど触らない配信用の使い方に向いています。
  • スタンド:本体を斜めに立てるスタンドを使うと、つまみやメーターが見やすく、奥行きも節約できます。
  • ラック:機材が増えたら、デスク横の小さなラックにまとめる方法もあります。

どの置き方でも、パソコン本体や電源アダプターのすぐ隣、直射日光の当たる場所は避けます。ノイズの原因になるうえ、熱で部品が傷みやすくなるためです。

収納・持ち運びと保管方法

外へ持ち運ぶなら、衝撃から守るクッション入りのケースやバッグに入れ、つまみやジャックに力がかからないようにします。専用のケースがない機種でも、サイズの合う機材用のポーチやカメラ用のインナーケースで代用できます。長く使わないときの保管方法は、ケーブルを外し、ほこりやゴミが端子に入らないよう袋に入れて、湿気の少ない場所に置きます。

電源のつけっぱなし・入れ方と切り方

スピーカーをつないでいる場合、電源の入れ方は「オーディオインターフェースやパソコン → 最後にスピーカー」、切り方はその逆で「最初にスピーカー → オーディオインターフェース」の順です。逆にすると「ボン」という大きな音がスピーカーに流れ、スピーカーを傷めることがあります。ケーブルの抜き差しも、スピーカーとヘッドホンの音量を下げてから行います。USB を抜くときは、DAW や配信ソフトを先に閉じてから抜くのが正しい抜き方です。

バスパワーの機種はパソコンの電源に連動するので、つけっぱなしでも大きな問題はありませんが、AC アダプターを使う機種を長期間つけっぱなしにすると、熱で部品の劣化が早まります。使わない日は電源を切っておきましょう。動作がおかしくなったときは、電源と USB ケーブルを抜いて数分置き(放電させて)からつなぎ直すと、直ることがあります。

掃除・寿命・修理|分解や自作はおすすめしない

掃除は、電源を切って乾いた柔らかい布でほこりを拭き取る程度で十分です。スプレー式の洗浄剤を本体にかけるのは避けます。オーディオインターフェースの寿命は使い方によりますが、壊れやすいのはつまみ(ガリの発生)とジャック(接触不良)、USB 端子などの物理的な部分です。一方で、長く使えなくなる理由として多いのは、新しい OS にドライバーが対応しなくなることです。買う前に、メーカーが古い機種のドライバーを更新し続けているかを確かめておくと、長く使えます。

故障したら、保証期間内ならメーカーの修理に出します。自分で分解すると保証が受けられなくなるうえ、感電や故障を広げる危険があるのでおすすめしません。電子工作としてオーディオインターフェースを自作する例もありますが、ノイズやドライバーの問題を解決するのは難しく、録音や配信のために使うなら市販品を選ぶのが確実です。

オーディオインターフェースはどこで買う?販売店・中古・レンタル・色

オーディオインターフェースは、楽器店、家電量販店、ネット通販で売っています。初めてなら実物を見られる店舗、型番が決まっているなら価格を比べやすい通販が向いています。中古やレンタルにも使いどころがあります。

どこに売ってる?販売店ごとの特徴

購入先向いている人注意点
楽器屋(島村楽器などの楽器店・専門店)店員に用途を相談したい人、実機を触りたい人店舗によって在庫と展示に差がある
家電量販店(ヨドバシ、ビックカメラ、ケーズデンキなど)ポイントを使いたい人、配信向けの定番機を買う人電気屋の売り場は配信向け機種が中心で、DTM 向けの品ぞろえは店舗次第
楽器の通販(サウンドハウスなど)型番が決まっている人、品ぞろえを比べたい人実機を試せない
総合通販(Amazon など)早く届けてほしい人出品者が正規の取扱店かを確認する

価格を比べるときは価格コムなどの比較サイトが便利です。保証やサポートを重視するなら、メーカーの正規取扱店(国内代理店経由の商品)から買うと安心です。並行輸入品は日本語のサポートや修理の対象外になることがあります。サウンドハウス(SOUNDHOUSE)のような楽器専門の通販は、海外ブランドの品ぞろえが多いのが特徴です。

中古で買うときの注意点|メルカリ・ハードオフ・ヤフオク

中古はハードオフなどの中古店や、メルカリ・ヤフオクといったフリマ・オークションで手に入ります。RME や MOTU など耐久性の高い機種は中古でも人気がありますが、中古のデメリットとして次の点に注意してください。

  • ドライバーが今の OS に対応しているか:古い機種は新しい Windows や Mac でドライバーが用意されていないことがあります。型番でメーカーのサポートページを必ず確認します。
  • 付属ソフト(DAW)のライセンス:付属の DAW はライセンスが前の持ち主の登録で使用済みのことが多く、中古ではソフトが使えない前提で考えます。DAW やソフトの中古ライセンスは、譲渡が認められているかをメーカーの規約で確認してください。
  • つまみのガリ、ジャックの接触不良、付属の電源アダプターの有無

8ch クラスの多チャンネル機は新品だと高価なので、中古がおすすめの選び方になる場面もあります。使わなくなったオーディオインターフェースは、楽器店の買取や中古店での売却、フリマでの出品で手放せます。

レンタル・セール・ふるさと納税

一度だけ多チャンネルで録りたい、買う前に試したいという場合は、機材のレンタルサービスを使う方法もあります。音楽スタジオのレンタルでは、スタジオの録音機材やオーディオインターフェースをそのまま使えるプランもあります。

新品を安く買うなら、ブラックフライデーや年末年始のセールが狙い目です。一方で、部品や為替の影響で値上げされる機種もあるので、欲しい機種の価格の推移を比較サイトで見ておくと判断しやすくなります。自治体によっては、ふるさと納税の返礼品に楽器や音響機器を用意していることもあるので、対象の機種があるか検索してみてもよいでしょう。最新の機種や新製品の情報は、メーカーの公式サイトや楽器店のニュースで確認できます。

色や見た目で選ぶ|白・黒・ピンク・紫

配信の画面に機材が映る人や、部屋の雰囲気に合わせたい人は、色や見た目も大事な選び方の1つです。定番機の多くは黒ですが、ヤマハの AG03MK2・AG06MK2 や UR22MK3・UR12MK3 にはホワイト(白)があり、白いデスクに合わせやすいと人気です。Focusrite の Scarlett は赤い本体が目印です。ピンクや紫のような色は定番機ではほとんどなく、限定色として出ることがある程度なので、かわいい見た目にしたい場合は、白い本体にケーブルやスタンドの色で合わせる方法が現実的です。

よくある質問

初心者が最初に買うなら、どのオーディオインターフェースがいいですか?
1人で歌う・配信するなら、マイク入力が1〜2つあり、48V ファンタム電源とループバック、ダイレクトモニターを備えた1〜3万円の定番機がおすすめです。配信が中心ならヤマハの AG03MK2 のようなミキサー型、録音が中心なら Focusrite の Scarlett や Universal Audio の Volt が候補になります。浮いた予算はマイクに回すと、声の満足度が上がります。
USB マイクとオーディオインターフェース、どちらがいいですか?
声だけを手軽に録る・話すなら USB マイクで十分です。ギターと一緒に録りたい、マイクを買い替えながら長く続けたい、ライブ用のマイクを家でも使いたいなら、オーディオインターフェースと XLR マイクの組み合わせが向いています。
オーディオインターフェースを使うと歌が上手に聞こえますか?
ノイズが減り、声の細部まで録れるようになるので、録音の聞こえ方は良くなります。ただし音程やリズム、声の響きそのものが変わるわけではありません。むしろ細部まで聞こえる分、自分の歌の課題に気づきやすくなります。
iPhone だけで歌ってみたや歌枠の配信はできますか?
できます。USB-C の iPhone は直結、Lightning の iPhone はカメラアダプタを使って接続し、伴奏と声をまとめるならループバック付きの機種を選びます。電源が不足しやすいので、給電できる接続にしておくと安定します。

まとめ

オーディオインターフェースは、マイクや楽器の音をパソコン・スマホに入れ、パソコンの音をヘッドホンやスピーカーへ出す「音の出入り口」です。この記事の要点を振り返ります。

  • 役割はマイクの増幅(48V を含む)、ギターの Hi-Z 入力、AD/DA 変換、モニター出力の4つ
  • XLR マイクやギターをつなぐなら必要、声だけなら USB マイクでも足りる
  • 選び方は入出力数 → 端子 → 接続と電源 → 対応 OS → 付属ソフトと機能 → サイズと予算の順
  • 歌ってみたは 48V とダイレクトモニター、配信はループバック、ギターは Hi-Z 入力が必須の機能
  • 音が出ない・ノイズ・遅延のトラブルは、原因を順番に切り分ければほとんど設定で解決できる

機材が整ったら、次に音を左右するのは歌い手自身の声です。録音した自分の歌を聞いて「音程が不安定」「声がこもる」と感じたら、プロのボイストレーナーに習うのが上達の近道です。ボイストレーニング教室の検索では、都道府県・市区町村・駅から近くの教室を探せます。体験レッスンで自分の声の課題を確かめてから、録音や配信に生かしてみてください。