アウトロとは|音楽用語としての意味

アウトロとは、曲の最後に置かれ、歌(メインのメロディー)が終わってから曲が完全に鳴り終わるまでの部分のことです。音楽用語としては「曲の締めくくり」を担うパートで、多くの場合は歌のない楽器だけの演奏になります。日本語では「後奏(こうそう)」と呼ばれることもあります。

「アウトロって何?」「アウトロってどこ?」と聞かれたら、ふつうは最後のサビ(ラスサビ)を歌い終えた直後から、最後の音が消えるまでを指すと考えてかまいません。曲の冒頭で歌が始まる前に流れる部分がイントロなので、アウトロはちょうどその反対側にある部分です。

アウトロの定義:歌が終わってから曲が終わるまで

アウトロの定義に厳密な決まりはありませんが、作曲・編曲の現場では次の2点で判断するのが一般的です。

  • 位置:曲のいちばん最後で、それより後ろに別のパートが来ない
  • 役割:新しいメロディーを聴かせるのではなく、曲を終わらせるために置かれている

歌詞がある曲でも、最後のサビのあとに楽器だけが数小節続いて終わるなら、その数小節がアウトロです。反対に、最後の歌い終わりと同時に「ジャン!」と止まる曲は、アウトロがほとんどない(またはごく短い)曲ということになります。

曲のどの部分? 聴いて見つけるコツ

実際の曲で「アウトロはどの部分?」と迷ったら、最後に歌声が聞こえなくなった瞬間を探すのがいちばん簡単です。そこから後ろがアウトロと考えて、ほぼ外れません。ただし、アウトロの中でボーカルが「ラララ」「Oh〜」のような声を重ねたり、サビの一部をくり返したりする曲もあります。その場合は「新しい歌詞が出てこなくなったところ」から数えると見分けやすくなります。

アウトロは曲の印象を最後に決める部分です。同じ曲でも、静かに消えていくのか、全員の音でバシッと止まるのかで、聴き終わったあとの余韻がまったく違います。歌の練習でも、アウトロの間にどう呼吸を整え、どんな表情で終わるかまでが1曲のうちに入ります。

曲の流れの中でアウトロが置かれる位置 曲の始まり → → → 曲の終わり イントロ Aメロ Bメロ サビ アウトロ 歌が入る部分 歌い終わり〜 最後の音まで
イントロが曲の入口なら、アウトロは最後の歌い終わりから最後の音が消えるまでの出口にあたる

アウトロの英語表記と語源|outro は何の略?

アウトロの英語表記は outro(アウトロウ)です。スペル(綴り)は o-u-t-r-o の5文字で、曲の構成表や DAW のマーカー、楽譜の書き込みでは「Outro」と頭文字を大文字にして書かれることがよくあります。英語で話すときも「the outro of the song(その曲のアウトロ)」のように、そのまま通じます。

outro はイントロの intro をもとにした造語

「アウトロは何の略?」「なんの略?」という疑問をよく見かけますが、outro は何かの単語を短くした略語ではありません。intro(イントロ)の in-(中へ)を out-(外へ)に入れ替えて作られた造語です。intro のほうは introduction(導入)を短くした語なので、「イントロは introduction の略」とは言えますが、「アウトロの正式名称」にあたる長い単語は存在しません。

つまり、in が「入っていく」なら out は「出ていく」。曲に入っていく部分がイントロ、曲から出ていく部分がアウトロという、語の成り立ちそのものが意味を表しています。英語圏で使われる本物の英単語なので、アウトロは和製英語でもありません。

intro の in を out に入れ替えてできた outro in + tro out + ro 中へ入っていく 外へ出ていく intro=イントロ outro=アウトロ introduction の略が intro、その対になる造語が outro
outro は略語ではなく、intro の in(中へ)を out(外へ)に置き換えて作られた言葉

日本語での表記と漢字

日本語でのカタカナ表記は「アウトロ」がほぼ定着しています。英語の発音に近づけて「アウトロウ」と書かれることもありますが、少数派です。アウトロを漢字で書くなら、意味の近い日本語の音楽用語「後奏」が使われます。前奏(ぜんそう)=イントロ、間奏(かんそう)=曲の途中の楽器パート、後奏=アウトロ、という3つの漢字の言葉で、曲の中の楽器だけの部分をひと通り言い表せます。

なお、ひらがなで「あうとろ」(イントロなら「いんとろ」)、打ち間違いで「アウト路」と検索されることもありますが、指しているものは同じ outro です。

韓国語・中国語での言い方と、曲名としての Outro

韓国語では英語をそのまま音にした「아웃트로(アウットゥロ)」、中国語(中文)では「尾奏」という言い方が使われます。どの言語でも「曲の最後の部分」を指す点は同じです。

また、韓国や欧米のヒップホップ・K-POP のアルバムでは、アルバムの最後の曲そのものに「Outro」という題名を付けることがあります。たとえば韓国のグループ BTS には「Outro : Wings(ウィングス)」「Outro : Tear(ティアー)」のように、Outro を冠した曲がいくつもあります。これはアルバム全体を1つの作品と見たときの「締めくくりの曲」という意味で、1曲の中のパートを指すアウトロとは使い方が少し違います。最初の曲に「Intro」と付けるのと対になる習慣です。

アウトロの言い換え・類語|後奏・エンディング・コーダとの違い

アウトロの言い換えや類語、別の言い方(他の言い方)としてよく使われるのは「後奏」「エンディング」「コーダ」の3つです。どれも「曲の終わりの部分」を指しますが、使われる場面と範囲が少しずつ違います。別名として混ぜて使っても会話は通じますが、違いを知っておくとバンドのリハーサルや楽譜を読むときに迷いません。

言葉主に使う場面指す範囲
アウトロポップス・ロック・ヒップホップ歌い終わりから最後の音まで
後奏合唱・ピアノ伴奏・歌謡曲歌のあとの伴奏だけの部分
エンディングバンド・ジャズ・日常会話曲の終わり方全般(最後の数小節)
コーダクラシック・楽譜楽譜上で「終結部」として区切られた部分

アウトロと後奏の違い

後奏はアウトロをそのまま日本語にした言葉で、指している部分はほぼ同じです。違いは使われる場面で、後奏は合唱曲の伴奏譜や学校の音楽の授業、歌謡曲の解説など、やや改まった文脈で使われます。「後奏が長い」「後奏のピアノ」というように、歌のあとに伴奏だけが残る部分というニュアンスが強い言葉です。ロックやヒップホップで「後奏」と言うことはあまりなく、カタカナのアウトロが選ばれます。

アウトロとエンディングの違い

エンディングは「終わり方」に重心がある言葉です。アウトロが「最後のパート」という区間を指すのに対し、エンディングは「最後の数小節をどう終えるか」という決め方を指すことが多くなります。バンドのリハーサルで「エンディングはキメで止めよう」「エンディングは伸ばして終わり」と言うときは、アウトロの中のさらに最後、最後の和音や最後の1拍の扱いを話しています。そのため「長いアウトロの最後に、短いエンディングがある」という言い方も成り立ちます。

アウトロとコーダの違い

コーダ(coda)はイタリア語で「尾」という意味の音楽用語で、クラシックでは曲や楽章を締めくくる終結部を指します。楽譜には「Coda」という文字や、丸に十字を重ねたコーダ記号で書かれ、演奏の途中でコーダへ飛ぶという使い方をします(楽譜での書き方は後の章で説明します)。ポップスの楽譜でもアウトロを「Coda」と書くことがあり、実質的に同じものを指す場面も多いのですが、コーダは楽譜上の区切りの名前、アウトロは曲を聴いたときのパートの名前、と覚えておくと整理しやすくなります。

アウトロ・後奏・コーダ・エンディングの範囲の関係 アウトロ = 後奏 =(楽譜では)コーダ 歌い終わりから最後の音までの区間 エンディング 最後の数小節の終わり方 楽器だけの演奏
アウトロ・後奏・コーダは同じ区間をさすことが多く、エンディングはその最後の終わり方に焦点を当てた言葉

イントロ・間奏・アウトロの違い|曲の中での位置と役割

曲の中で歌が入らない楽器だけの部分は、大きくイントロ・間奏・アウトロの3つに分けられます。違いは「曲のどこにあるか」と「何のためにあるか」です。曲全体の構成の考え方は曲の構成の記事で詳しくまとめていますが、ここではアウトロとの比較に絞って整理します。

パート英語位置役割
イントロ(前奏)intro曲の最初曲の世界に引き込む
間奏interlude曲の中間場面を切り替え、歌い手が休む
アウトロ(後奏)outro曲の最後曲を締めくくり、余韻を残す

イントロとアウトロの違い

イントロとは、曲が始まってから最初の歌が入るまでの部分です(詳しくはイントロとはの記事へ)。イントロは「これから何が始まるのか」を聴き手に伝え、テンポや雰囲気を示します。アウトロはその逆で、「曲がここで終わる」ことを伝え、気持ちを着地させます。イントロが入口、アウトロが出口という関係です。

おもしろいのは、イントロと同じフレーズでアウトロを作る曲がとても多いことです。最初に聴いたフレーズが最後にもう一度戻ってくると、聴き手は「1周して帰ってきた」と感じ、自然に曲の終わりを受け入れられます。イントロのフレーズを逆の順番に並べたり、イントロより遅いテンポで弾いたりして、同じ素材から終わりの雰囲気を作ることもあります。

間奏とアウトロの違い

間奏は英語で interlude(インタールード)と言い、曲の中間、たとえば1番と2番のあいだや、2番のサビのあとに入る楽器だけの部分です。曲の真ん中にあるのでイントロとアウトロの間、という位置づけになります。「イントロとアウトロの中間は何と呼ぶ?」と聞かれたら、答えは間奏です。間奏の後ろには必ず続きの歌がある点が、アウトロとのいちばんの違いです。間奏は「次へつなぐ」ためのパート、アウトロは「終わらせる」ためのパートと考えると混同しません。

ちなみに、イントロ・アウトロと並べて間奏のことを冗談めかして「中トロ」と呼ぶ言葉遊びがあります。もちろん正式な音楽用語ではないので、楽譜や打ち合わせでは「間奏」と言いましょう。

アウトロの前に来るパート:ラスサビ・Cメロ・ギターソロ

アウトロの前に置かれるのは、ほとんどの曲で最後のサビ、いわゆる「ラスサビ」です。曲の盛り上がりが頂点に達したあと、その勢いを受け止めて終わらせるのがアウトロの仕事です。ラスサビの前には、ブリッジ(日本でいうCメロ)や大サビ、ギターソロが入ることもあります。

ロックでは、ギターソロをアウトロにそのまま重ねて、ソロを弾きながら曲が終わっていく構成もよく見られます。この場合、ソロは「間奏」ではなく「アウトロの中のソロ」です。どちらに分類するかは、ソロの後ろに歌が戻ってくるかどうかで決まります。サビとアウトロの関係を意識して聴くと、曲の最後の数十秒の作り込みがよく分かるようになります。

イントロ・間奏・アウトロが曲の中で置かれる位置 イントロ 間奏 アウトロ 1番の歌 2番〜ラスサビ 引き込む つなぐ 締めくくる
楽器だけの部分は、最初のイントロ・中間の間奏・最後のアウトロの3つに分かれ、それぞれ役割が違う

アウトロの種類|フェードアウト・カットアウト・リフレインなど

アウトロの種類は、最後の音をどう消すかで分けると分かりやすくなります。代表的なのは次の5つです。実際の曲は、これらを組み合わせて作られていることも多くあります。

種類終わり方向いている曲
フェードアウト音量が少しずつ下がって消えるループするグルーヴの曲、余韻を残したい曲
カットアウト(キメ)全員の音で一斉に止まるロック・ファンク・勢いのある曲
リフレインサビやフレーズをくり返しながら終わる合唱が起きる曲、ライブ定番曲
ロングトーン最後の和音を長く伸ばして終わるバラード・壮大な曲
アウトロなし歌い終わりと同時に終わる短い曲、言葉で終わりたい曲

フェードアウトとカットアウト

フェードアウトは、演奏を続けたまま音量だけを下げていき、気づいたら曲が終わっている終わり方です。レコーディングでミックスの最後に音量を絞って作るため、ライブではそのまま再現できず、ライブ版では別のエンディングに作り変えられることがよくあります。「まだ続いていきそう」な余韻を残せるのが長所です。

反対に、カットアウトは「ジャン!」と全員の音をそろえて止める終わり方で、バンドでは「キメ」と呼ぶこともあります。最後の一音でスパッとカットされるので、曲の勢いを保ったまま終われます。ドラムのシンバルを手で止める、全員がブレイクで音を切る、といった細かい合わせが必要です。

リフレインとロングトーンで終わるアウトロ

リフレインは、同じフレーズを何度もくり返す終わり方です。サビの最後の一行や「ラララ」のようなコーラスをくり返しながら、だんだん楽器を減らしたり、フェードアウトと組み合わせたりして終わります。歌ありのアウトロ、歌詞ありのアウトロの多くはこの形です。ロングトーンは、最後の和音や最後の歌声を長く伸ばして終わる形で、ラストの一音を大事に聴かせたいバラードに向いています。

アウトロがない曲もある

アウトロは曲に必ずあるパートではありません。最後の歌詞を歌い切った瞬間に演奏も止まる「アウトロなし」の曲もあります。言葉の余韻だけで終わらせたい曲や、2分台の短い曲、ライブで次の曲へすぐつなぎたい曲などで使われます。アウトロがない曲は、歌い手の最後の発声がそのまま曲の最後の音になるため、語尾の処理がとても目立ちます。

どの種類を選ぶかに正解はありませんが、例として「イントロと同じリフを2回くり返し、最後はキメで止める」という形はロックの定番で、初めて作曲するときにも真似しやすい型です。

アウトロの種類ごとの音量の変化 音量 ↑ 時間 → フェードアウト カットアウト リフレイン ロングトーン
フェードアウトは徐々に消え、カットアウトは一斉に止まり、リフレインはくり返し、ロングトーンは伸ばして終わる

アウトロの長さ|何小節・何秒が目安?

アウトロの長さに決まりはありませんが、ポップスやロックでは4〜8小節がもっとも多く、長めの曲で16小節前後です。「アウトロは何小節にすればいい?」と迷ったら、まずはイントロと同じ小節数にしておくと、曲の前後のバランスが取りやすくなります。

小節数の目安とテンポによる秒数

同じ8小節でも、テンポによって実際の長さ(秒数)は大きく変わります。4分の4拍子なら、1小節=4拍なので、次の式で計算できます。

秒数 = 小節数 × 4 × 60 ÷ テンポ(BPM)

小節数BPM 80BPM 120BPM 160
4小節約12秒約8秒約6秒
8小節約24秒約16秒約12秒
12小節約36秒約24秒約18秒
16小節約48秒約32秒約24秒

12小節は、ブルースのコード進行1周分(12小節ブルース)の長さです。ブルースやブルースの影響が強いロックでは、アウトロをこの1周でまとめることがよくあります。

アウトロが長い曲・短い曲の考え方

アウトロが長い曲は、ギターソロやピアノの演奏そのものが聴きどころになっていて、アウトロが「もう1つの見せ場」として機能しています。一方、ストリーミングで聴かれることが前提になった近年のポップスは、曲全体を短くする傾向があり、アウトロもごく短いか、ない曲が増えています。

長くするか短くするかは、アウトロで何を聴かせたいかで決めます。ソロを聴かせたい、余韻にひたってほしいなら長く、歌詞の最後の一言を印象に残したいなら短く。迷ったら、まずは8小節で作ってみて、実際に通して聴きながら4小節に削るか16小節に延ばすかを判断するのがおすすめです。

アウトロの長さは4〜16小節が目安 0小節 4 8 12 16 最も多い 長めの曲 迷ったらイントロと同じ小節数から試す
ポップスやロックのアウトロは4〜8小節が多く、ソロなどを聴かせる長めの曲で16小節前後になる

アウトロが印象的な有名曲|名曲・かっこいい曲の例

アウトロが有名な曲、アウトロがかっこいい曲として名前がよく挙がるのは、アウトロそのものが「もう1曲」と言えるほど作り込まれた曲です。ここでは、世界的に知られていて、アウトロの聴きどころがはっきりしている名曲を紹介します。アウトロを意識して聴くと、曲の最後の数十秒にどれだけの工夫が詰まっているかがよく分かります。

曲名(アーティスト)アウトロの特徴聴きどころ
ホテル・カリフォルニア(イーグルス)2本のギターが掛け合う長いソロギターのハモりが重なっていく構成
いとしのレイラ/Layla(デレク・アンド・ザ・ドミノス)後半がピアノ中心のまったく別の曲調になる前半の激しさとの対比
ヘイ・ジュード(ビートルズ)「ナ・ナ・ナ」のリフレインが数分続く合唱がふくらんでいくリフレインの手本
ノーベンバー・レイン(ガンズ・アンド・ローゼズ)オーケストラとギターソロで壮大に終わるバラードを長いアウトロで締める作り

ギターソロで終わるアウトロ

「ホテル・カリフォルニア」は、アウトロのギターソロが曲の代名詞になっている代表例です。2本のギターが交互にフレーズを弾き、最後はハモりながら重なっていきます。歌の部分と同じコード進行の上で、ギターが歌の代わりに物語を続けているような構成で、アウトロが長い曲の魅力がよく分かります。

曲調が変わるアウトロ・合唱になるアウトロ

「いとしのレイラ」は、激しいギターのリフで始まる前半から、後半はピアノが中心の穏やかなパートへと移り、そのまま曲が終わっていきます。アウトロで曲調ごと変えてしまう大胆な例です。ビートルズの「ヘイ・ジュード」は、歌が終わったあと「ナ・ナ・ナ」のリフレインが長く続き、ライブでは観客の合唱で締めくくられる、いわば参加型のアウトロの元祖のような曲です。

アウトロだけを聴いて曲名を当てる「アウトロクイズ」は、イントロクイズより難しい遊びとして楽しまれています。それだけ、アウトロには曲ごとの個性が出るということです。こうした名曲のアウトロは、作曲や編曲を学ぶ人にとって最高の教材です。好きな曲のアウトロを「何小節あるか」「どの楽器が残るか」「どう終わるか」の3点で聴き比べてみてください。日本のポップスやロックでも、イントロのフレーズに戻って終わる曲、ギターソロで締める曲、フェードアウトする曲など、ここまでに紹介した種類がそのまま見つかるはずです。

アウトロの作り方|作曲・アレンジの手順

アウトロの作り方は、ゼロから新しいメロディーを考えるより、曲の中にすでにある素材を使い回すほうがうまくいきます。曲を作曲したあと、アレンジ(編曲)の段階で最後に整えるパートだと考えると気が楽です。ここでは、初めてでも形にしやすい4つの手順を紹介します。

  1. 終わり方を決める:フェードアウト・カットアウト・リフレイン・ロングトーンのどれで終わるか
  2. 素材を選ぶ:イントロのリフ、サビのメロディー、サビのコード進行のどれを使うか
  3. 長さを決める:4・8・16小節のどれにするか
  4. 最後の和音を決める:主和音(トニック)で落ち着かせるか、わざと解決させず余韻を残すか

素材はイントロかサビから持ってくる

アウトロの作曲でいちばん手軽なのは、イントロと同じフレーズをもう一度使う方法です。イントロの作り方とアウトロの作り方を別々に考える必要がなく、曲に統一感が生まれます。そのまま使うだけでなく、最後の小節だけメロディーを変えて「終わった感」を出すのが定番のアレンジです。

サビのメロディーを楽器で弾き直す方法もよく使われます。歌っていたメロディーをギターやピアノがなぞると、聴き手の頭の中でサビがもう一度鳴り、印象に残りやすくなります。

コード進行と転調で「終わり」を作る

アウトロのコード進行は、サビのコード進行をくり返し、最後にⅤ→Ⅰ(ドミナントからトニック)で着地させるのが基本です。キーがCなら「G→C」で終わる形で、聴き手は自然に「終わった」と感じます。反対に、最後をⅣ(キーCならF)や、Ⅰにセブンスなどの音を足した和音で止めると、終わりきらない浮遊感が残ります。

さらに変化をつけたいときは、アウトロで半音や全音上に転調する方法があります。ラスサビで転調する曲は多いですが、アウトロで転調して明るく終わらせたり、逆に元のキーに戻って落ち着かせたりする使い方もあります。

アウトロの書き方のチェックポイント

アウトロを書き終えたら、曲の頭から通して聴いて次の3点を確かめます。

  • ラスサビからアウトロへの切り替わりで、音量や楽器の数が急に落ちすぎていないか
  • アウトロが長すぎて、聴き手の集中が切れていないか
  • 最後の一音のあと、どのくらい無音(余韻)を残すか決めてあるか

パソコンで作曲する場合は、DAW の中で「Outro」というマーカーを付けておくと、アレンジの作業中に区間を見失いません。

アウトロを作るときの4つの手順 ①終わり方 ②素材 ③長さ ④最後の音 種類を選ぶ イントロ/サビ 4〜16小節 V→I など 素材は新しく作らず、曲の中から使い回す
終わり方→素材→長さ→最後の和音の順に決めると、迷わずアウトロを組み立てられる

楽器パート別のアウトロ|ギター・ピアノ・ベース・ドラム

バンドでアウトロを演奏するときは、楽器ごとに役割を分けると曲の終わりがきれいにまとまります。よく使われるのが、楽器を1つずつ減らしていき、最後に1つだけ残して終わるアレンジです。音の厚みが少しずつ薄くなることで、聴き手は自然に曲の終わりを感じ取ります。

ギターとピアノのアウトロ

ギターのアウトロは、イントロのリフに戻る、ギターソロを弾く、最後の和音をジャーンと伸ばす、の3パターンが基本です。ソロを弾く場合は、ラスサビのメロディーを崩しながら始めると、歌から楽器へのバトンタッチが自然になります。アコースティックギターの弾き語りなら、最後のストロークを弱く、ゆっくりにしていくだけでも十分にアウトロになります。

ピアノのアウトロは、音域の移動で表情を作れるのが強みです。高い音域でイントロのフレーズを弾いて静かに終える、低音でゆったり和音を響かせる、最後にアルペジオ(分散和音)で上がっていく、など、1台で終わりの雰囲気を作り切れます。合唱曲や弾き語りのバラードで「後奏」と呼ばれるのは、多くがこのピアノのアウトロです。

ベースとドラムのアウトロ

ベースは、最後の和音のルート(根音)をしっかり鳴らして、曲の着地点をはっきりさせる役割です。カットアウトで終わる場合は、ドラムと同じタイミングで音を止めることが何より大切で、ベースの音だけが残ると締まりのない終わり方になります。

ドラムは、アウトロの「どこで終わるか」を合図する役です。最後の小節の前にフィルイン(おかず)を入れて終わりを予告し、最後の一打はシンバルとバスドラムを同時に鳴らすのが定番です。ロングトーンで終わるときはシンバルを連打(ロール)して盛り上げ、全員で音を切る瞬間にシンバルを手で止めます。

バンド全体での合わせ方とジャズのアウトロ

バンドでアウトロを合わせるときは、「何小節目で誰が抜けるか」「最後の一音は誰の合図で切るか」を事前に決めておきます。ライブで最後をそろえるには、ボーカルやドラマーが手を上げる、ギタリストがネックを振り下ろす、といった目に見える合図が便利です。

ジャズでは、アウトロの決め方にいくつか定番があります。曲の最後の数小節を3回くり返して終える方法や、最後の和音のあとに各楽器が自由に音を重ねて終わる方法などがあり、セッションでは誰かがくり返しを始めたら全員が合わせる、という暗黙の了解で進むこともあります。

楽器を1つずつ減らしていくアウトロの例 ドラム ベース ギター ピアノ 時間 → 最後はピアノだけが残る
リズム隊から順に抜けていき、最後に1つの楽器だけを残すと、音の厚みが減って自然に曲が終わる

楽譜でのアウトロの書き方|記号と表記

楽譜(譜面)では、アウトロをどう表記するかに決まった1つの書き方があるわけではありません。バンドスコアやコード譜では、区間の頭に「Outro」「Ending」「後奏」と文字で書くのがもっともシンプルな方法です。ギターのタブ譜(TAB譜)でも同じで、アウトロの小節の上に「Outro」と書いておけば、どこから最後のパートかがひと目で分かります。

コーダ記号と D.S. を使った書き方

くり返しの多いポップスの楽譜では、紙面を節約するために反復記号とコーダ記号を組み合わせてアウトロへ飛ぶ書き方がよく使われます。代表的な記号は次のとおりです。

セーニョ(segno)
D.S.(ダル・セーニョ)が出てきたときに戻る場所の目印
D.S. al Coda(ダル・セーニョ・アル・コーダ)
セーニョまで戻って演奏し、「to Coda」の指示が来たらコーダへ飛ぶ
to Coda
2回目の演奏でここに来たら、コーダの部分まで飛ぶ合図
Coda
飛んだ先にある終結部。ポップスではここがアウトロになることが多い
Fine(フィーネ)
「ここで終わり」を示す記号。コーダを使わずに曲を終える場合に使う

たとえば「1番→2番→セーニョへ戻ってサビをもう一度→to Coda で飛ぶ→Coda(アウトロ)を弾いて終わり」という流れを、1枚の楽譜で表せます。初めて見ると迷いやすいので、演奏前に指でたどって順番を確認しておきましょう。

D.S. al Coda でアウトロへ進む演奏の順番 1番・2番 Segno サビ D.S. Coda セーニョへ戻り、to Coda で右端へ飛ぶ =アウトロ
D.S. でセーニョまで戻ってサビをくり返し、to Coda の指示でコーダ(アウトロ)へ飛んで曲を終える

フェードアウトの表記

フェードアウトで終わるアウトロは、楽譜では「Repeat & Fade Out(くり返しながらフェードアウト)」と書かれ、最後の数小節にリピート記号を付けて表します。音量の変化は「dim.(ディミヌエンド)」や、だんだん細くなる記号で示します。ライブで演奏するときは、何回くり返してどう終わるかをメンバー間で決めておく必要があります。

アウトロの歌い方|ボーカルのコツ

アウトロは楽器だけのパートと思われがちですが、ボーカルにとっても大事な時間です。歌がない場合は最後の一音をどう終えるか、歌がある場合は本編とどう歌い分けるかが、曲全体の印象を左右します。

アウトロに入る直前の「歌い終わり」を丁寧に

アウトロの直前、ラスサビの最後の一言は、曲の中でいちばん記憶に残りやすい音です。ここを雑に切ると、どんなに美しいアウトロが続いても締まりません。次の3点を意識して歌うと、歌い終わりが安定します。

  • 語尾の長さを決めておく:何拍伸ばして、どの拍で切るかを伴奏に合わせて決める
  • 息を最後まで残す:伸ばしている途中で息が尽きて音程が下がらないよう、ラスサビの前で十分に吸う
  • 音量の消し方をそろえる:すっと消すのか、最後まで強く保ってから切るのかを曲の終わり方に合わせる

アウトロで歌うときのアドリブ:フェイク・スキャット・シャウト

アウトロで歌が入る曲では、本編のメロディーをそのままくり返すより、少し崩して歌うと「終わりに向かう特別な時間」が生まれます。代表的なのが、メロディーを装飾して歌うフェイク、意味のない音で即興的に歌うスキャット、感情を爆発させるように声を張るシャウトです。

ゴスペルやソウルの影響を受けた曲では、アウトロでボーカリストがフェイクを重ねて盛り上げ、コーラスが同じフレーズをくり返して支える、という掛け合いがよく聴かれます。「ラララ」「Oh〜」といった歌詞のないフレーズをくり返すアウトロも多く、こうした部分は観客と一緒に歌えるのが魅力です。

ただし、アドリブは「歌いたいから歌う」のではなく、曲の終わりを盛り上げるために入れるものです。音数を増やしすぎると楽器の聴きどころを邪魔してしまうので、最初はフェイクを1か所だけ入れる、といった控えめな使い方から試してみましょう。

歌がないアウトロ中のボーカルの過ごし方

歌がないアウトロの間も、ボーカルは「歌っていない演者」としてステージに立っています。ライブなら、すぐに気を抜かず、曲の世界観に合った表情のまま最後の音が消えるのを待つことが大切です。マイクを口元から下ろすタイミングも、曲の終わり方に合わせると見え方が変わります。歌詞の余韻を表情で伝えられると、アウトロまで含めて1曲を歌い切った印象になります。

ラスサビからアウトロにかけてのボーカルの声量の変化 ラスサビ アウトロ 声量の頂点 フェイクを添えて引いていく
声量の頂点はラスサビに置き、アウトロではフェイクやコーラスを添えながら少しずつ引いていくと自然に終われる

ライブ・アイドル現場のアウトロ|コール・MIX・口上・捌け

ライブでは、アウトロは音源とは違う役割を持ちます。観客が手拍子(クラップ)や歓声で参加する時間であり、演者にとっては次の曲やMCへ移るための準備の時間でもあります。音源より長く演奏したり、別のエンディングに作り変えたりするのはそのためです。

アウトロでのクラップとコール

ロックやポップスのライブでは、アウトロに入ると観客が自然にクラップを始めたり、サビのフレーズを合唱したりします。演者が「もう1回!」とあおって、アウトロのリフレインを何周も延ばすのもライブならではの楽しみ方です。

アイドルのライブでは、曲の決まった場所でファンが掛け声を入れる「コール」の文化があります。アウトロもコールが入りやすい場所の1つで、メンバーの名前を呼ぶ、決まったフレーズを叫ぶといった形で曲の最後を盛り上げます。地下アイドルやライブアイドルの現場では、とくにコールが活発です。

MIX(ミックス)と口上とは

アイドルの現場でいう MIX(ミックス)とは、「タイガー、ファイヤー、サイバー、ファイバー、ダイバー、バイバー、ジャージャー」のような決まった言葉を、曲のイントロ・間奏・アウトロなど歌のない部分に合わせて叫ぶコールの一種です。音楽制作でいうミックス(ミキシング)とは別物です。

MIX にはいくつかの種類があり、同じ流れを日本語に置き換えた「日本語MIX」や、アイヌ語の言葉に置き換えた「アイヌ語MIX」などが知られています。1つの MIX は前置きの掛け声を含めておよそ8小節ほどで打たれることが多く、複数の MIX を続けて16小節ぶん使うこともあります。口上は、曲の前奏などでメンバーへの思いを長いセリフにして叫ぶコールのことです。

なお、コールや MIX が歓迎されるかどうかはグループや会場によって大きく違い、禁止されている現場もあります。参加するときは、必ずその現場のルールに従いましょう。

アウトロでの「捌け」とダンスの締め

「捌け(はけ)」とは、演者が舞台から袖へ退場することを指す舞台用語です。ライブでは、最後の曲のアウトロの間に手を振りながら捌けたり、アウトロが鳴っている間に次の曲の立ち位置へ移動したりします。アウトロの長さは、こうした移動にかかる時間も計算して決められています。

ダンスのある曲では、アウトロの最後の一音に合わせて決めポーズで止まるのが定番です。振り付けを覚えるときも、アウトロのどこで動きを止め、何拍キープするかまで決めておくと、全員の締めがそろいます。

ライブでのラスサビからアウトロ、捌けまでの流れ ラスサビ アウトロ 捌け・MC 合唱 クラップ・コール 退場・次の曲へ アウトロは観客が参加し、演者が次へ動く時間
ライブのアウトロは、観客のクラップやコールで盛り上がりつつ、演者が捌けや次の曲へ移る準備をする時間になる

YouTube・動画のアウトロ|エンディング映像の作り方

アウトロという言葉は、音楽だけでなく YouTube(ユーチューブ)などの動画でも使われます。動画のアウトロとは、本編が終わったあとに流れる締めくくりの映像のことで、チャンネル登録の呼びかけや次の動画への誘導、BGM とロゴを流すエンディングなどがこれにあたります。歌ってみた動画や演奏動画では、曲のアウトロと動画のアウトロが重なる場面も多くあります。

YouTube の終了画面の設定と何秒にするか

YouTube には、動画の最後に別の動画やチャンネル登録ボタンを表示できる「終了画面」という機能があります。YouTube Studio の動画の編集画面から設定でき、動画の最後の5〜20秒の範囲に表示できます(終了画面を付けられるのは、一定以上の長さがある動画に限られます)。そのため、動画のアウトロは終了画面の表示時間に合わせて10〜20秒ほどにしておくのが実用的です。仕様は変わることがあるので、最新の条件は YouTube の公式ヘルプで確認してください。

動画のアウトロの作り方

動画のアウトロ映像は、次の要素を組み合わせて作るのが一般的です。

  • BGM:毎回同じ短い曲を使うと、チャンネルの「お決まり」として覚えてもらえる
  • イラストやロゴ:チャンネルのキャラクターやロゴを表示し、終了画面のボタンを置く余白を空けておく
  • ひと言の呼びかけ:「コメントで感想を教えてください」「次の動画もぜひ」など、視聴者の次の行動を1つだけ示す

編集ソフトは Premiere Pro(プレミアプロ)などの動画編集ソフトのほか、スマホの無料アプリでも作れます。イントロとアウトロの映像を1度テンプレートとして作っておけば、毎回の動画に差し込むだけで済みます。

AI でアウトロの曲を作る

動画用のアウトロ BGM や、自作曲のアウトロは、音楽生成 AI で作ることもできます。たとえば Suno AI では、歌詞欄に [Outro] のような構成タグを書いて曲の終わり方を指示する使い方が広く知られています。ただし、タグがどこまで反映されるかはモデルやバージョンによって変わり、商用利用の可否や料金も利用プランによって違います。動画に使う前に、必ず各サービスの公式情報で利用規約を確認しましょう。

動画の最後5〜20秒に終了画面を置く 動画の本編 アウトロ 終了画面 最後の5〜20秒 BGM・ロゴ・呼びかけを流す
YouTube の終了画面は動画の最後の5〜20秒に表示できるので、アウトロの映像をその長さに合わせて作る

カラオケ・音楽アプリでアウトロが切れる・飛ばすとき

「カラオケでアウトロが切れる」「音楽アプリでアウトロが消える」と感じたことはないでしょうか。多くの場合、故障ではなく、カラオケの音源やアプリの設定によるものです。ここでは、よくある原因と対処法を整理します。

カラオケ(DAM・JOYSOUND)でアウトロが短い・切れる

カラオケの伴奏は、原曲の CD 音源をそのまま流しているのではなく、カラオケ各社が曲ごとに制作・編集した音源です。そのため、DAM や JOYSOUND(ジョイサウンド)などの機種によって、アウトロが原曲より短くカットされていたり、フェードアウトの位置が違ったりすることがあります。同じ曲でも機種によって後奏の長さが違うのはこのためです。

反対に、アウトロを飛ばして次の人に早く回したいときは、リモコンや本体の「演奏停止」を使えば、アウトロの途中でスキップできます。歌い終わったらすぐ止めるか、アウトロまで聴いて余韻を楽しむかは、その場の雰囲気に合わせて選びましょう。カラオケで歌の練習をするなら、アウトロの間に今の歌を振り返る時間として使うのもおすすめです。

Apple Music などでアウトロがカットされる原因

iPhone の Apple Music(アップル ミュージック)や、ほかの音楽アプリでアウトロがカットされたように聴こえる原因として多いのが、クロスフェードの設定です。クロスフェードとは、前の曲の終わりと次の曲の始まりを数秒間重ねて、曲と曲を途切れなくつなぐ機能です。オンにしていると、前の曲のアウトロが小さくなりながら次の曲が始まるため、アウトロが終わる前に次の曲へ移ったように聴こえます。

アウトロを最後まで聴きたいときは、クロスフェードをオフにするか、重ねる秒数を短くします。iPhone の場合は設定アプリのミュージックの項目にありますが、iOS のバージョンによって項目の場所や名前が変わり、曲を自動でつなぐ別の機能が加わることもあります。見つからないときは Apple の公式サポートで最新の手順を確認してください。

アウトロが終わるとイントロが流れてくる仕組み

アルバムやプレイリストを通して聴いていると、アウトロが終わると次の曲のイントロが流れてくる、まるで1つの曲のように聴こえることがあります。これはクロスフェードのほかに、アルバムがもともと曲間を空けずにつながるように作られている(ギャップレス)場合に起こります。ライブ盤やコンセプトアルバムでは、前の曲のアウトロが次の曲のイントロを兼ねるように作られていることも珍しくありません。アウトロが終わるとどうなるかは、曲単体ではなくアルバム全体の設計で決まっているのです。

クロスフェードで前の曲のアウトロと次の曲が重なる 前の曲 次の曲 重なる数秒 アウトロが短く聴こえる
クロスフェードがオンだと、前の曲のアウトロが小さくなる間に次の曲が始まり、アウトロが切れたように聴こえる

「アウトロ」と間違えやすい言葉|アウトロー・アウトロック

アウトロは、のばし棒が1つ付くだけでまったく別の言葉になったり、ほかのカタカナ語と打ち間違えられたりしやすい言葉です。検索するときや人と話すときに混乱しないよう、よく混同される言葉を整理しておきます。

アウトローとは:無法者・野球の外角低め

アウトロー(outlaw)とは、英語で「法の外にいる人」、つまり無法者やならず者を意味する言葉です。簡単に言えば、社会のルールや常識にとらわれずに生きる人のことで、映画や小説のタイトルにもよく使われています。曲の最後を指すアウトロ(outro)とは、綴りも意味もまったく別の言葉です。

野球では、アウトローは「アウト(outside=外角)」と「ロー(low=低め)」を組み合わせた言葉で、打者から見て外角の低めのコースを指します。打者にとってバットが届きにくく、長打を打たれにくいコースとして、投手がよく狙う場所です。こちらは英語の outlaw とも別物の、野球用語として使われている言い方です。

音楽でアウトローといえば、アメリカのカントリー音楽の一派「アウトロー・カントリー」を指すことがあります。1970年代に、型にはまった当時のカントリーのスタイルに反発したミュージシャンたちの音楽を呼んだ言葉で、これも曲のアウトロとは関係ありません。

アウトロックはメールソフト Outlook の打ち間違い

「アウトロック」と検索される言葉の多くは、マイクロソフトのメールソフト Outlook(アウトルック)の読み間違い・打ち間違いです。メールの送受信やアドレスの追加などで困っている場合は、「アウトルック」または「Outlook」で調べ直すと、目的の情報が見つかりやすくなります。

見分け方のまとめ

言葉英語意味
アウトロoutro曲の最後の部分(後奏)
アウトローoutlaw無法者・ならず者
アウトロー(野球)outside + low打者から見て外角の低め
アウトルックOutlookマイクロソフトのメールソフト

のばし棒のない「アウトロ」が音楽用語、のばし棒のある「アウトロー」は別の言葉、と覚えておけば迷いません。

よくある質問

アウトロとは簡単に言うと何ですか?
曲の最後で、歌が終わってから曲が鳴り終わるまでの部分です。日本語では後奏とも言い、曲の入口にあたるイントロの反対側にある「出口」のパートです。
アウトロは何の略ですか?
略語ではありません。introduction の略である intro(イントロ)の in を out に入れ替えて作られた英語の造語で、英語表記は outro です。
アウトロとエンディングは同じですか?
ほぼ同じ意味で使われますが、アウトロは「最後のパート(区間)」、エンディングは「最後の数小節の終わり方」を指すことが多い言葉です。長いアウトロの最後に短いエンディングがある、という言い方もできます。
アウトロは何小節くらいが普通ですか?
ポップスやロックでは4〜8小節がもっとも多く、ギターソロなどを聴かせる曲では16小節前後になります。迷ったらイントロと同じ小節数から試すのがおすすめです。
アウトロがない曲もありますか?
あります。最後の歌詞を歌い切ると同時に演奏が止まる曲で、言葉の余韻を残したい曲や短い曲に多い作り方です。

まとめ

アウトロについて、この記事の要点をまとめます。

  • アウトロとは、曲の最後で歌が終わってから曲が鳴り終わるまでの部分。日本語では後奏
  • 英語表記は outro。intro の in を out に入れ替えた造語で、何かの略ではない
  • イントロは入口、間奏はつなぎ、アウトロは締めくくりと、楽器だけの3つのパートは役割が違う
  • 種類はフェードアウト・カットアウト・リフレイン・ロングトーン、長さは4〜8小節が目安
  • 作るときはイントロやサビの素材を使い回し、最後の和音で「終わり」を決める
  • ボーカルはラスサビの歌い終わりを丁寧に。アウトロで歌うならフェイクやスキャットは控えめに

アウトロを意識して聴くようになると、曲の終わり方ひとつで印象が大きく変わることに気づきます。歌う側にとっても、最後の一音の伸ばし方、息の残し方、アウトロの間の表情まで含めて1曲です。こうした「曲の終わりまで歌い切る力」は、自己流ではなかなか身につきにくい部分でもあります。ラスサビで息が続かない、語尾が不安定になるといった悩みがあるなら、プロの講師に直接見てもらうのが近道です。ボイストレーニング教室の検索から、通いやすい教室を探して体験レッスンを受けてみてください。